【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、新型コロナの脅威で急反落
連載 2020-03-02

マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=180円水準まで急反落する展開になった。新型コロナウイルスの新規感染者数が減少傾向に転じる中、2月4日の165.60円をボトムに21日の190.40円まで急反発していた。しかし、22日以降は韓国、イタリア、イランなど中国以外での感染報告数が急増していることが嫌気され、改めて戻りを売られる展開になっている。
上海ゴム先物相場も21日の1トン=1万1,830元で上げ一服となり、1万1,000元台前半まで急反落している。
新型コロナウイルスのリスク評価が中心の地合が続いているが、過去1週間でマーケット環境は大きく変わっている。中国の新規感染者は2月初めをピークに緩やかなペースで減少しており、漸く感染被害の拡大が終息に向かうとの楽観的な見方がゴム相場の反発を促がしていた。しかし、21日に突然に韓国、イタリア、イランと世界各地で感染経路の把握できない感染被害が報告されたことで、月末にかけてリスク資産は全面安の展開になっている。
世界に感染被害が広がり、世界経済が想定されていたよりも長期にわたって大きなダメージを受けるのではないかとの警戒感が広がっている。日経平均株価は約4カ月半ぶり、NY原油相場は1年1カ月ぶりの安値を更新しており、この流れの中でゴム相場も急落している。
これから世界的に感染被害が広がる「パンデミック」に発展してゴム需要環境も大きなダメージを受けるのか、それとも一時的なパニック状態に留まるのか、マーケットも今後の見通しを描けない状況に陥っている。
ただ、サプライチェーンの混乱から自動車生産は世界各地でトラブルを抱えており、消費者マインドも急激に悪化している。格付け会社ムーディーズは、今年の世界の新車販売台数が前年比で2.5%減になるとして、従来の0.9%減の見通しを下方修正している。
一方、産地相場も軟化している。タイ中央ゴム市場の現物相場は、2月27日時点でUSSが前週比2.8%安の1キロ=42.33バーツ、RSSが同2.2%安の45.23バーツとなっている。インドネシアやマレーシアでは降雨が観測されているが、タイ、ベトナム、ラオス、カンボジアでは乾季への移行が進んでおり、干ばつ傾向に対する警戒の声も根強い。ただ、消費地相場の急反落に逆行して上を続けるまでのエネルギーはなく、産地相場も反落している。
なお、東京ゴム先物相場は2月21日に2月限の納会を迎えたが、納会値は164.10円であり、1月限の163.50円からほぼ横ばいだった。
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