【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、株価急落もゴムは横ばい
連載 2019-08-26

マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=160円台後半から170円台前半でやや底固い展開になった。産地相場の急落と連動して、8月6日には今年最安値となる160.70円を記録していた。しかし、その後は産地相場が下げ一服となったことで東京ゴム相場も下げ渋り、横ばいから若干の自立反発が促される状況になっている。
8月入りと同時に、世界経済の見通しは急激に悪化した。トランプ米大統領が対中追加関税の発動を発表したこともあり、米中対立の長期化、激化に世界経済は耐えられないのではないかとの警戒感が広がった。米債券市場では、リセッション(景気後退)局面入りを示唆すると言われる長短金利の逆転(=逆イールド)が発生したこともあり、投資家のリスク選好性は著しく弱くなった。このため、ゴム相場に関してもさらに急落するリスクが警戒されたが、実際には特に目立った値動きは見られなかった。
背景にあるのが、産地相場の底固さである。タイ中央ゴム市場の現物相場は、8月22日時点でUSSが前週比0.2%安の1キロ=39.70バーツ、RSSが同2.7%高の42.50バーツとなっている。RSSは総じて39バーツ台での横ばいだが、USSに関しては8月6日の39.30バーツをボトムに急激な切り返しを見せている。
特に産地相場を大きく押し上げるような材料が浮上している訳ではないが、40バーツ割れはコストの観点でも下げ過ぎとの見方が強く、急落地合にブレーキが掛かった格好になる。このままコストの視点で40バーツ水準が底値になるか否かが、ゴム相場の焦点になる。
一方、8月16日にはタイ、インドネシア、マレーシアの3カ国会合が開催されたが、特に新しい動きは報告されていない。マレーシアやインドネシアで、ペスタロチオプシス菌の感染が広がっていることに懸念を表明したが、新たな市況対策の必要性などについては、少なくとも公式な表明は行われていない。
上海ゴム先物相場は、1トン=1万1,000元台中盤で揉み合う展開になっている。中国経済指標は新車販売統計も含めて低調だったが、特に目立った値動きは見られず動意を欠いた。中国市場では、鉄鉱石や石炭相場などが値崩れを起こしているが、ゴム相場に関してはほぼ横ばいに留まっている。
一方、東京ゴム市場では期先限月が横ばいに対して、期近限月が大きく値崩れを起こしている。7月12日には54.60円の逆サヤ(期近高・期先安)となっていたが、若干の順サヤに転じた。これまでは期先が割安ではなく、期近が割高だったことが再確認されており、サヤバランスは概ね正常化した。
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