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【特集】食品に貢献するゴム企業

タイガースポリマー、独自の研究開発技術生かし、食品衛生法の改正に対応

会員限定 ラバーインダストリー 2024-10-02

 ゴムシート・樹脂ホース・工業用品のメーカー、タイガースポリマーは合成樹脂とゴムを原料に、「3つの基本技術(ホース、ゴムシート、モールド(成形品)を作る技術)」を駆使し、大きく分けて4つの市場(家電、自動車、土木・建築・住宅、産業資材)に製品を提供している。自動車部品、落橋用防止ゴム、地中埋設電線保護管まで、私たちの生活をさまざまな場面で支えている同社。それに加えて、2023年にはロボットハンド用柔軟指(ゆび)「ソフトラロボ」を発表するなど、新規需要開拓にも積極的な姿勢で取り組んでいる。今回、 “食品分野に関わりのある製品”を展開している同社に、食品分野の動向と同社の営業方針を聞いた。

食品衛生法の一部改正にも対応

 昨今、食品関連製品を取り巻く状況は大きく変化している。その一つが、食品衛生法の一部改正により、2020年6月1日から導入されたポジティブリスト制度だ。同制度は、使用を認める物質のリスト(ポジティブリスト)を作成し、使用を認める物質以外は使用を原則として禁止する規制の仕組み※1。リスト内の物質で作られ、“安全が担保された製品のみ”使用できるようにする制度だ。対象となるのは、食品や添加物の「採取、製造、加工、調理、貯蔵、運搬、陳列、授受または摂取」の各段階で、それらに“直接”接触する機械や器具。その中でも原材料に「合成樹脂」が使用されている製品が対象だ。

 例えば、コップやスプーンなどの飲食器でも、“ポジティブリスト外の物質で作られた合成樹脂”を原材料に使用している場合は、その飲食器の使用ができなくなる。現在は経過措置期間にあたり、2025年6月からはポジティブリストに準拠した製品の販売が義務化する。食品分野に関わりのある樹脂ホース製品を展開する同社では、既にポジティブリスト制度対応製品を開発。2025年の義務化に向けて営業活動を行っている段階だ。

 「ポジティブリストによって使える原材料が限られてくるため、開発の難易度は確実に上がった。特に当社は、長い歴史の中で試行錯誤し、積み上げてきたノウハウを駆使した製品開発を行っているため、ポジティブリスト内の原材料だけで現行の製品を再現することは非常に難しい。こうした中で、技術担当者らの尽力により、ポジティブリスト対応製品の開発を行ってきた」(渡邊剛タイガースポリマー取締役営業部長)

食品衛生法に準拠しつつ、用途は広範囲をカバー

 食品衛生法に準拠した製品については、同社製品の用途は幅広い。現在、食品衛生法に準拠した製品として

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