【インタビュー】ゴム連合中央執行委員長 春日部美則氏
賃上げ2%程度要求へ 産別間での格差拡大是正
その他 2017-02-13
いよいよ春闘の季節になった。ゴム連合でも「2017春季生活改善のとりくみ方針」がまとまった。昨年就任したゴム連合の春日部美則中央執行委員長に、春のとりくみや今後の課題に関してインタビューした。
■委員長に就任
昨年9月の定期大会でゴム連合の委員長に就任した。これまで単組の委員長をしていた頃は、組合員と直接接触できたので組合の状況が見えやすく、把握しやすかった。しかし産別の委員長になると、直接各単組の組合員と接することが少なくなり、全体が見え難くなったように感じる。
私はゴム連合で組織部長も兼務しているので、組合員との接点を増やすため、役員研修会や学習会などに講師として積極的に参加している。活動の現場に足繁く通うことで、組合の状況を把握していきたいと思っている。
■今年の課題
中小組合の支援に、これまで以上に積極的にとりくんでいきたい。また女性役員を増やしていきたい。女性の社会進出が進んでいるにも関わらず、組合の女性役員はここ数年、減少傾向にある。組合の活動方針も男性が中心になって策定され、男性目線に偏りすぎているので、女性の視点が必要だ。女性役員の育成をはかるため4月に女性組合員を対象にした研修会を計画している。現在、中央執行委員に女性組合員がいないので、是非とも近いうちに、女性の中央執行委員を誕生させたいと思っている。
■春のとりくみについて
賃上げについては、昨年同様2%程度を要求基準にしている。
定期昇給も含めた昨年の賃上げは平均で1.86%だった。それに対して連合の平均は2.00%だ。ここ3年ほどこうした状況で推移しており、連合内の産別間で格差が拡大している。このような状況を是正していかないと人材の採用が困難になるし、人材の流出も深刻化する。ゴム産業に魅力がなくなり、人が集まらなくなる。こうした状況を回避するため、労使で真剣に考えていく必要がある。
業種や企業規模により各単組で状況が異なるため、ゴム連合では各単組の主体性を尊重している。しかしゴム連合内外で、これ以上格差が広がらないよう、企業業績が厳しい単組でも2%程度の賃上げ要求にとりくんでもらいたい。
長時間労働の是正も重点課題のひとつだ。ゴム連合組合員の年間平均労働時間は2,000時間を超えているので、2,000時間以内に抑えられるよう環境を整えていく。理想としては年間1,800時間台を目標に改善にとりくんでいく。各単組は、他の会社の成功事例なども参考に長時間労働の是正にとりくんで欲しい。
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