労働環境の改善にとりくむ
ゴム連合春のとりくみ、過重労働対策など要求
その他 2018-03-19
ゴム連合(春日部美則中央執行委員長)の2018春季生活改善のとりくみで、大手ゴム企業を中心に労組側からの要求が概ね出揃った。ゴム連合の聞き取りによる調査結果では全58組合中52組合が要求を提出した。今春闘は電機や自動車など他産業と同様、賃金、一時金とも17年よりも要求額がアップしている。また労働時間の短縮など、働き方改革につながる労働改善要求も、例年以上に目立っている。
賃金、一時金とも昨年を上回る要求に
タイヤ各社の賃上げ要求を見ると、ブリヂストンは5,600円、住友ゴムは5,500円、横浜ゴムは5,400円(賃金改善分含む)、東洋ゴムは5,100円(同)を要求(4社とも35歳標準者・以下35P)。横浜ゴムは400円、東洋ゴムは1,000円、昨年よりも要求額を引き上げた。ブリヂストンと住友ゴムは昨年並みの要求額だった。
工業用品や自動車部品では、バンドー化学が3,000円(35P)、三ツ星ベルトが1万360円(賃金改善分含む)、丸五ゴム工業が7,867円(同)、藤倉ゴム工業が7,782円(同)、倉敷化工が5,903円(同)、イノアックが9,700円(35P、賃金改善分含む)、西川ゴムが8,559円(同、同)、ニチリンが7,600円(同、同)を要求した。賃上げ要求をした組合のうち昨年より要求額がアップしたのは三ツ星ベルト、丸五ゴム工業、藤倉ゴム工業、倉敷化工、イノアック、ニチリンなど18社(3月15日現在)。
一時金は、ブリヂストンが179万円、住友ゴムが159万円+業績配分、横浜ゴムが148万円、東洋ゴムが5.0カ月を要求。ブリヂストン、住友ゴム、横浜ゴムが昨年より要求額を引き上げた。
工業用品では、住友理工が4.85カ月+2万円、三ツ星ベルトが154万円、バンドー化学が業績連動、イノアックが5.10カ月、西川ゴムが5.5カ月、丸五ゴム工業が4.0カ月、藤倉ゴム工業が5.6カ月、オカモトが141万円、倉敷化工が142万円。住友理工、三ツ星ベルト、イノアック、藤倉ゴム工業など19社が昨年より要求水準を引き上げた。
ワーク・ライフ・バランス関連については32組合が要求した。主なものとして「過重労働対策(時間外労働の適正管理など)」が16組合、「総実労働時間縮減(所定労働時間短縮、年休取得促進など)」が19組合、「ワーク・ライフ・バランスを実現するための環境づくり」が13組合だった。働き方改革につながる、労働改善要求が特に目立った。
2月に開催された企業と組合との話し合いや懇親の場である「ゴム産業労使懇談会」でも、労働者の健康確保のための過重労働の撲滅や、育児・介護と仕事との両立支援など職場環境の改善に向けた働き方改革が大きなテーマとして論じられた。
今春闘では、賃金、一時金に加え、労働環境改善の取り組みがどこまで進捗するのかが注目される。
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