外部環境に対する懸念、労働力、物流費が上位
製造業アンケート(119社が回答)
その他 2018-01-15
ゴム報知新聞では、2017年12月中旬にゴム・樹脂製品製造業と工業用ゴム製品卸商社を対象とした景況や業績見通しなどに関するアンケート調査を実施した。1月1日付で「2018年の景気見通し」及び「ゴム業界の景気の現状」についての結果を紹介したが、本号ではゴム・樹脂製品製造業のアンケート結果を紹介する。169社にアンケートを発送し119社から回答を得た。回答率は70.4%だった。
『2017年度売上高(見込み)の16年度との比較』では「1桁増加」が44.2%、「2桁以上増加」が13.3%となり、増収が合計で5割を超えた。「横ばい」は31.7%。一方、「2桁以上減少」の回答はなく、「1桁減少」もわずかに9.2%だった。 『17年度経常利益(見込み)の16年度との比較』では「1桁増加」が35.8%、「2桁以上増加」が11.7%、「黒字復帰」が2.5%と、増益とみている企業が半数に上った。「横ばい」は25.8%。一方、「1桁減少」、「2桁以上減少」、「赤字」の合計は約2割だった。業績面からみると、ゴム・樹脂製品製造業全体の景気の良さがうかがえる。
今回のアンケートで特徴的だったのが、『外部環境に関する懸念』。トップは「原材料価格の動向」で76.7%だったが、原材料価格についてはアンケートを実施すれば常にトップ。ゴム・樹脂製品製造業にとっては永遠の懸念材料と言える存在だ。
特徴的だったのは2位の「労働力の不足」と3位の「物流費の高騰」。日本全体で問題となっている項目が上位に入った。「労働力の不足」は60.0%、「物流費の高騰」は42.5%だった。
景気回復などにより、人手不足は近年深刻化しており、ゴム関連企業もその対策に苦慮している。そこで、『人材確保の現状』について聞いたところ、「若干不足している」が52.1%、「不足している」が26.1%となり、4分の3を超える企業が人材不足に直面していることがわかった。その対策として『今後実施したい対応策』では「就職・転職サイトへの登録」が45.9%、「高校・大学等就職課との連携強化」が42.9%と高かった。また『外国人労働者の雇用』についても聞いたが、「雇用していない」が63.0%、「雇用している」が35.3%だった。
一方の物流費については『物流費値上げの要請』について聞いたところ、「すでに値上げされた」が51.3%、「値上げを要請されており交渉中」が31.1%となり、値上げを要請されたという回答が8割を超えた。その『値上げ幅』については「10-20%」が45.9%、「10%未満」が39.8%と、20%以下が大勢を占めたが、中には「50%以上」と回答した企業もあった。ゴム・樹脂製品製造業にとって、大幅なコストアップに繋がっている。『物流費値上げへの対応策』は「自助努力で吸収」が68.9%、「製品価格への転嫁」が21.8%。大半の企業は自助努力で吸収することを目指している。ただ、物流費の高騰は運送会社での人手不足が主な要因であり、構造として下がる見通しは低く、今後さらなる上昇の可能性も否定できない。
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