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2026年から市場供給を開始

日本ゼオン、シンガポールでS-SBRの高性能グレードを生産へ

原材料 2025-06-02

 日本ゼオンは、主に低燃費タイヤに使用されるS-SBR(溶液重合スチレン・ブタジエンゴム)の高性能グレード用生産設備をシンガポールに導入し、徳山工場(山口県周南市)と併せた両極供給体制を強化する。

ZCS社の外観


 これは、Zeon Chemicals Singapore(シンガポール・ジュロン島)で実施していた高性能グレード用設備の建設工事が完了し、試作期間を経て2026年から市場供給を開始するもの。

 同社では、徳山工場とZCS社で合計12万5,000トン/年のS-SBR生産能力を有しており、タイヤの「ウェットグリップ性」「転がり抵抗」「耐摩耗性」を高度に改善する高性能グレードの比率を高めることで、同市場におけるベストオーナーを目指す。

 同社は、徳山工場で1986年にS-SBR生産をスタートし、2013年に稼働開始したZCS社と併せた2拠点でS-SBRを生産している。

 S-SBRは、分子構造を高度にコントロールすることで、自動車の燃費向上に貢献する合成ゴム。 燃費向上だけでなく、耐摩耗性向上によって粉塵発生を抑制し大気汚染防止に貢献することからS-SBR を「SDGs貢献製品」に認定し、開発・製造・販売の強化に努めている。

 同社の S-SBR の強みは、分子構造を高度にコントロールする技術および卓越した末端変性技術にある。すでに高性能グレードを生産している徳山工場に加えて、今回ZCS社でも生産を開始することで、強固なグローバル供給体制を構築し、S-SBR事業の高付加価値化を推進する。

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