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海外では新たな拠点を調査

東海カーボンが石巻の1系列閉鎖へ

原材料 2016-08-22

説明する長坂社長

説明する長坂社長


 東海カーボンは、石巻工場(宮城県石巻市)のカーボンブラック生産設備4系列(年産6万トン)のうち1系列を閉鎖する。年内には3系列、同4.6万トン体制とする。

 同工場は、東日本のタイヤ工場や自動車用ゴム部品などにカーボンブラックを供給している。2011年3月の東日本大震災では津波が押し寄せ被災。プラントが壊滅的な被害を受け、生産停止を余儀なくされた。その後の復旧工事により12年には完全復旧したが、安価な中国品に押され、1系列の閉鎖を決断した。

 同社は6月にも、中国・天津のカーボンブラック生産設備4系列のうち1系列を閉鎖し、生産能力を年11万トンから同7万トンへ縮小すると発表。16年には実施、完了する予定で、同工場は特殊品を中心に伸ばしていく。

 石巻、天津の各1系列を閉鎖する一方で、海外ではタイ、天津に次ぐ新たな拠点のための調査を行っている。8月5日に開催された決算説明会の席上、長坂一社長は「カーボンブラックの需要先であるタイヤは、今後も確実に成長する商品。いま有している海外拠点は一から始めたため、100億円を超える投資が必要だった。次は良い案件があれば、M&Aを念頭に成長を図りたい。場所はアジアだけでなく、世界全体を見て自動車が増え、原料のあるところを考えている」と語った。

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