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CNT製品の実用化加速に期待

日本ゼオン、「超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト」に参画

原材料 2017-05-30

 日本ゼオンは5月29日、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が実施する超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクトに参画すると発表した。

 CNT(カーボンナノチューブ)の応用製品開発には、各特性の最適化のための実験的な試行錯誤に長期間を要するが、計算科学(さまざまな現象をコンピューター上で数学的にモデルとして解析する化学研究の方法論)を用いたアプローチにより構造や組成から材料の機能を推測することで大幅な効率化が可能になる。

 国際競争力の強化を支援するこのプロジェクトは、産総研(産業技術総合研究所)、古河電気工業と当社の3者共同提案をNEDOが採択したもの。

 CNTは産業界で実用化の動きが見え始め、今後の広範な応用が期待されているが、本来有する性能、機能を十分に反映した応用製品開発には合成などに技術的なブレークスルーが必要で、研究期間が長期化する事が懸念されている。特に電気的特性、熱的特性の最適化には緻密な構造制御が必要であり、現時点では実験的な試行錯誤が繰り返されている。

 また実用デバイスにおいては、CNT単体ではなく他の材料との相互作用が複雑に絡み合い最適化パラメータが膨大になるため、計算科学などを活用して最適化の時間短縮をするなどの従来の取り組みと異なるアプローチで研究することが、材料開発の戦略上きわめて重要となっている。

 日本ゼオンは、NEDOの「超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト」(期間:2017-21年度)への参画により、これまで実施しなかった計算科学というアプローチで、実用化が遠いと考えられていたCNTの応用製品をターゲットに、構造や組成から材料の機能を推測する革新的なマルチスケールシミュレーション手法(材料機能を精度よく再現・予測する手法)などを活用し、競争力の強化を図る。

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