資源循環型社会を目指す
ENEOSマテリアルなどプロジェクト加盟各社、世界初のタイヤ電池搭載した街路灯実証試験を開始
原材料 2024-07-29
ENEOSマテリアルを含むタイヤ電池プロジェクト加盟18社は、使用済みタイヤをリサイクルして生まれる世界初の次世代型蓄電池「タイヤ電池」の開発を進めている。開発から12年間の改良期間を経て、今回、タイヤ電池を搭載した定置用製品(街路灯)の実証試験を開始する。
実証試験は2024年7月下旬から10月下旬に、佐賀県三養基郡みやき町市武875番地で行う。方法は、太陽光パネルを搭載した街路灯にタイヤ電池を設置し蓄電、その電気を使い期間中の連続稼働を確認するもの。
タイヤ電池は、使用済みタイヤを熱分解(無酸素条件化で加熱することでゴム分を油化)し、蓄電池の正・負極活物質原料および正極導電材を抽出したものと、卵の殻など身近な自然素材由来のイオン原料を合わせて製造する。通常の蓄電池で使用されるレアメタルといった希少資源を必要としないこと、使用済みタイヤを熱分解して抽出されたガス分や軽質油分は使用済みタイヤの熱分解に再利用されることが特長。現段階のタイヤ電池の性能を前提とすると、使用済みタイヤ10トンから住宅42戸分(10kWh/戸換算)の電力需要を賄えるタイヤ電池を製造することができる。
同プロジェクトにおいてENEOSマテリアルは、正極および負極の電池バインダーを提供し、電池の品質向上に貢献する役割を担う。
同プロジェクトでは、今後の改良・開発でタイヤ電池の容量を増やし、収率をさらに引き上げていく。日本で年間約100万トン排出される使用済みタイヤのうち、10万トンをタイヤ電池の原料として活用することで、資源循環型社会を目指す。また、太陽光・水力・風力・バイオマス等の再生可能エネルギー発電と組み合わせて活用し、再生可能エネルギーの一層の普及に貢献していく。
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