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シクロペンタノンの画期的製造法の開発が高評価

日本ゼオン、「第56回日化協技術賞技術特別賞」を受賞

原材料 2024-05-28

 日本ゼオンは、日本化学工業協会(日化協)が主催する第56回日化協技術賞で、技術特別賞を受賞した。

5月24日に行われた表彰式


 日化協技術賞は、優れた化学技術の開発や工業化によって化学産業ならびに経済社会の発展に寄与した事業者を表彰する制度で、「総合賞」「技術特別賞」「環境技術賞」の3賞が設けられている。

 今回同社が受賞した技術特別賞は、「独創的技術あるいは改良技術で、科学技術の進歩に寄与したもので、比較的規模は小さくても、独創的で技術的に優れたもの」が選出される。なお、同社が日化協技術賞を受賞するのは、第32回日化協技術賞環境技術賞以来となる。

 今回、受賞対象となったテーマは、「シクロペンタノン新製造法の開発と5員環ケミカルビジネスの構築」で、C5留分から抽出されるジシクロペンタジエン(DCPD)を出発原料とする全く新しいシクロペンタノン(CPN)の製造法開発と、これに付随する各種製品群の開発・製造・販売による産業発展への貢献が認められたもの。

 CPNは、同社が得意とするC5総合活用ビジネスを成す重要な製品の1つで、C5留分に含まれるDCPDを主原料としている。高い溶解力や乾燥性・回収性に優れた特性を活かし、半導体向け溶剤や合成香料原料に広く利用されている。

 受賞対象となった新製造法は2004年に開発されたもので、従来法に比べて収率が高く、かつ二酸化炭素発生を抑えた極めてクリーンなプロセスを実現している。

 同社のシクロペンタノン(CPN)は、①純度99%以上②比較的に沸点が低く、単一物質の洗浄剤であり、乾燥性、回収性に優れる③リサイクル使用が可能であり、液管理が容易④生分解性が良好であり、毒性が低い――という特徴がある。

 また、同プロセスの中間体であるシクロペンテンを原料として、開発・上市されたシクロペンチルメチルエーテル(CPME)は、疎水性が高く、比較的高い沸点を持つことから、安全に取り扱える疎水性エーテルとして医薬品製造などの溶媒として幅広く利用されている。

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