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【特集】ゴム用薬品・資材

神島化学工業、今年創業100周年迎える

原材料 2017-04-12

 神島化学工業(大阪市)は、海水中のミネラル資源利用のパイオニアとして、今年創業100周年を迎える。

 同社は海水から直接マグネシウムを取り出す工業化技術を他社に先駆け確立して以来、高純度酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムなどを一貫体制で生産している。

 同社はこれら酸化マグネシウム製造の主力拠点詫間工場(香川県三豊市)のライン増強を昨年10月に実施し、生産能力を40%引き上げた。増強は、主に日系海外製造拠点や現地ローカル企業向けに輸出が堅調に推移していることに対応してのもの。

 また今年5月には同市内の第2工場用地に開発研究棟を着工し、2018年春の竣工予定。開発研究棟には、化成品・建材・セラミックスの3部門それぞれの研究機能を集約、約40人体制とし機能の強化充実を図る。

 酸化マグネシウム製品のうち「スターマグシリーズ」は、海水法による純度の高い軽焼マグネシアで、数多くのグレードを揃えている。「スターマグCX-150」は、表面処理タイプの製品で、吸湿性や合成ゴムへの分散性、ロール付着性が改善されCR・CSM・フッ素ゴムなどの用途に最適となっている。

 これに加え、難燃剤用水酸化マグネシウム「マグシーズシリーズ」が、安全性の高いノンハロゲン難燃剤として好評を得ている。同シリーズは、高分子難燃化だけではなく、発煙抑制にも効果を発揮し、LSZH(Low Smoke Zero Halogen)高分子を得るのに最適。

 中でも「同S-6」を主力製品として拡販を図っている。同製品はシランカップリング剤で表面処理されゴム・樹脂への分散性、強度保持に優れ、エコ電線被覆材の難燃剤として大手電線メーカーに採用されている。

 電子材用として「EP1-A」も注力展開されている。同製品は、表面処理剤が無機物系の難燃用水酸化マグネシウムで、耐水性や耐酸性が必要な分野でも使用できる。このため半導体・封止材・電子部品などの製品分野で、高出力化・複雑化を背景に販売が増加している。

 これらに加え高い熱伝導性が評価され、無水炭酸マグネシウムの「マグネサイト」が、熱伝導フィラーとして新たに自動車用材料に採用されるなど、販路が拡大しつつある。

 同社では環境に優しく安全でクリーンなノンハロゲン難燃剤商品化、電子基板などの放熱対策に期待される高熱伝導材料開発なども実施している。

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