日本ゼオン、エラストマー製造事業におけるマイクロ波プロセス適用の実証開発に着手

　日本ゼオンとマイクロ波化学は、マイクロ波プロセス（注）を適用したエラストマー製造事業の実証開発契約を締結した。

　エラストマーをはじめとした化学製品の製造における主たるエネルギー源は、化石燃料の燃焼によるもののため、化学産業におけるカーボンニュートラルの取り組みのひとつとして、再生可能エネルギー由来の電気を使う電化プロセスへの転換が求められている。しかし、従来プロセスのままエネルギー源を電化することは、経済性に課題がある。

　日本ゼオンとマイクロ波化学は、目的物に直接エネルギーを伝達可能なマイクロ波プロセスを適用することで、経済性だけでなく、生産性も改善できる可能性を見出した。

　同事業では、エラストマー製造プロセスの一部にマイクロ波技術を適用することで、エネルギー源の電化に加え、従来プロセスの革新を実現する。

　日本ゼオンとマイクロ波化学は、2022年度までに同事業のPoC（Proof of Concept：新しい手法などの実現可能性を見出すために、試作開発に入る前の検証を指す）を実施してきたが、2023年度からマイクロ波化学の大阪事業所（大阪市住之江区）において実証し、2027年度の社会実装を目指す。

　（注）マイクロ波プロセス＝電子レンジと同じ原理で加熱する化学プロセスで、カーボンニュートラルにとって必要不可欠な「産業電化（従来の化石資源を用いたプロセスを、電気エネルギーを用いたプロセスに置き換えていく）」を実現するための重要な技術