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コネクターなどの薄肉部品に適した着色可能な高流動性有する

SABIC、ULTEM強化グレードを追加

原材料 2023-05-25

 SABICは、高耐熱性 ULTEM(ウルテム、PEI:ポリエーテルイミド)樹脂の新製品として、低粘度で高流動性を特徴とする「ULTEM 2X20 グレード」追加した。

Fiber optic connectors and cables


 新たに追加した「ULTEM 2120」、「同2220」、「同2320」は、ガラス繊維を充填した強化グレードで、高流動性および高強度を発揮するほか、カスタムカラーに着色が可能となっている。

 ガラス繊維強化グレードは、複雑形状の小型部品を高精度で製造できるため、光ファイバーや電気コネクターなどの薄肉部品に最適な成形素材。また、同材料は高い流動性を備えることから、ショートショットを回避しながら、射出圧力を下げる、もしくは従来と同じ射出圧力でより薄肉の部品を成形可能などの柔軟性を実現する。

 新グレードは、既存の ULTEM 2X10/2X00 樹脂のカラーレンジを維持するとともに、コネクター識別や製品ブランディングに向けてカスタムカラーでの着色も可能。さらに、ULTEM 2X20グレードは、競合のポリスルホン材料と比べて機械的強度が高いことから、より耐久性および信頼性に優れた部品の製造が可能になる。

 今回追加したULTEM 樹脂は、持続可能性の向上に向けて、ISCC PLUS認定を取得した再生可能材料も利用可能。また、これらの新グレードは、同社の製造過程において過フッ素化およびポリフッ素化物質(PFAS)を意図的に添加されることはなく、意図しないPFAS不純物を含有することもないと想定されている。
 

高流動性によってデザイン性と生産性を強化

 ULTEM 2120、同2220、同2320樹脂は、それぞれ10%、20%、30%のガラス繊維を配合しながら低粘度を維持しているため、薄肉でコンパクトな部品設計が可能で、部品内部や搭載スペースの拡張に寄与する。流動性を高めた従来のULTEM樹脂と比べてスパイラルフロー性能が最大 36%向上している。

 高流動性によって成形時間の短縮および生産コスト削減も可能となる。ULTEM樹脂は射出圧力を最大35%低減できるため、成形装置の制約を克服することができ、流動性の向上によって成形温度を下げることも可能なため、エネルギーコストの削減に加え、冷却時間を最大 10%短縮できることから、スループットの向上が実現できる。さらに、樹脂の早期固化(フリーズオフ)や外観不良といった問題の軽減にも寄与する。
 

着色によって識別や差別化を実現

 ULTEM 2X20樹脂はカスタムカラーでの着色が可能なため、光ファイバーや電気コネクターの種類や速度の識別、コンポーネントの外観向上、ブランドアイデンティティーの強化などが可能になる。同社のColorXpressサービスを利用することで、色と効果を正確にマッチングさせることができる。同サービスは数千色のライブラリを提供しており、オンラインでの検索も可能だ。
 

高耐熱性材料に加わった新たな製品

 非晶性ポリエーテルイミド(PEI)材料である他の ULTEM樹脂と同様、高流動性とカスタムカラーでの着色性を備えた新しいグレードは、複数の高性能な特性をバランス良く発揮する。同グレードは、長期にわたる高耐熱性、固有の難燃性、化学的安定性、寸法安定性、加水分解安定性を兼ね備えている。

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