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EVの高耐熱SICインバータ向け

SABIC、従来品比40%薄膜化のELCRES HTV150Aフィルムを発表

工業用品 2022-10-24

 サウジアラビアのリヤドに本社を置く化学製品メーカー SABICは、10月26~27日に中国・上海で開催するPCIM ASIA 2022で、従来よりも膜厚をさらに薄くした誘電体フィルム「ELCRES HTV150A」を発表する。

 同製品は、ハイブリッド自動車、プラグイン・ハイブリッド自動車および電気自動車(xEV)の主機インバータ、車載充電器や電動コンプレッサなどに用いられるコンデンサでの使用に適した樹脂フィルム製品。

 ELCRES HTV150Aの膜厚は、同社が以前発表した5マイクロメートルフィルムよりも40%薄い3マイクロメートルを実現しており、コンデンサのエネルギー密度を向上させることで、さらなる体積および重量の低減と、高い設計柔軟性を可能にする。これまでの5マイクロメートル厚フィルムと同様、150度までの高い動作温度において安定した性能を維持し、135度以上において従来のポリプロピレン(PP)フィルムで生じていた性能ギャップを解決することができる。

 この熱性能は、SiCパワーモジュールの採用拡大およびインバータ効率の向上に寄与する。フィルムの薄型化によってパッケージサイズの小型化が可能となり、EVユーザーが求める航続距離や加速などの性能を向上させながら、軽量化を図ることができる。

 ELCRES HTV150A誘電体フィルムは、動作温度マイナス40度~150度および最大周波数100kHzの環境で安定した性能を発揮する業界初のコンデンサ用フィルム。安定した静電容量、高い絶縁抵抗、優れた誘電性能が特徴となっている。このほかすべての動作温度範囲における高い絶縁破壊強度、良好な自己修復性、アルミニウムや亜鉛に対する優れた付着性を発揮する。3マイクロメートルおよび5マイクロメートル蒸着フィルムを用いて製造されたコンデンサは、低容量変化および安定した絶縁抵抗を示し、150度で2,000時間の標準電気および寿命試験をクリアしている。

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