PAGE TOP

「グリーンチップ CMF」の事業拡大図る

エフピー化成工業、クラウドファンディングで投資を募集

原材料 2023-04-14

 ポリプロピレンやポリエチレン樹脂に、天然素材であるセルロースファイバー(CNF)を、従来よりも高い51%以上の割合で配合した「グリーンチップ CMF」を開発・製造しているエフピー化成工業は、株式投資型クラウドファンディングサービス「FUNDINNO(ファンディーノ)」において、4月15日10時から募集による投資申し込みの受付を開始する。

 プロジェクトの詳細はhttps://fundinno.com/projects/470まで。

 同社が開発・製造する植物由来のCNFは、鋼鉄の約5倍の強度でありながら約5分の1の軽さといわれ、環境負荷が小さいうえに機能性が高い新素材として、自動車や航空機産業などで導入が進んでいる。

 また、軽さや強度に加えて高弾性、低熱膨張、透明性などの特長があるため、プラスチックに代わる高性能素材として注目されており、2030年には世界のCNF出荷金額は約258億円規模に成長すると予測されている。

 CNF自体は、大手製紙会社も研究開発を行っているが、同社のグリーンチップ CMFは独自の乾式特殊混錬製法によって、従来技術では難しかったセルロースファイバーの高配合が可能になり、より環境負荷を低減できる。

 グリーンチップ CMFは、セルロースファイバーを51%以上配合しているため、製品は紙と同様に可燃物として廃棄できる。さらに、特殊技術によって生産量は5倍以上、製造コストは10分の1以下に抑え、製造面においても優位性がある(同社調査)。

 今回、さまざまな分野から引き合いがある中で、一定の生産量を確保するための設備投資および海外における販路拡大などを目指し、同社は4月7日からFUNDINNOにおいて、募集案内の事前開示を開始。今回の資金調達により資本力の充実を図り、事業の成長に繋げていく。募集期間は4月15日~5月8日、上限とする募集額は 5,000万円(1口10万円、1人5口まで)。

 グリーンチップ CMFは、従来のポリプロプレン樹脂製品よりもCO2排出量を約18%削減でき(同社調査)、さまざまな分野での需要が見込まれる。また、電気自動車の増加に伴い、絶縁性の高いプラスチック製品の需要が多くなることが予想される中でグリーンチップ CMFの需要もさらに高まると同社では予想する。

 グリーンチップ CMFは、セルロースファイバーの繊維分布を徹底的に研究し、繊維の分散性に優れている。これにより、従来の成形設備で成形することが可能。また、グリーンチップ CMFの特性により、成形サイクルの短縮も期待でき、さらなるCO2の削減も期待できる。

 また、同社は基礎技術となる特殊な混錬技術や製造方法における特許を取得しており、従来の工程を大幅にカットすることでコスト削減を実現していることに加え、上場企業である巴川製紙所との協業により技術開発を行っている点でも優位性がある。

関連記事

人気連載

  • マーケット
  • ゴム業界の常識
  • 海から考えるカーボンニュートラル
  • つたえること・つたわるもの
  • ベルギー
  • 気になったので聞いてみた
  • とある市場の天然ゴム先物