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中国製H-NBRやナイロン66、台湾製ゴムコンパウンド調達に対応

双龍産業が輸入原材料商社の強み発揮

原材料 2022-02-07

 原材料商社の双龍産業は高機能ゴムや樹脂の供給不足解消に対応すべく、中国製・水素化NBR(H-NBR)とナイロン6/ナイロン66(PA6/PA66)、フッ素/シリコーンを得意とした台湾製ゴムコンパウンドの輸入販売体制を整えた。

 「中国製H‐NBRは既に国内ゴム製品メーカーの採用も進んでおり実績を積んできた製品。ポリアミド樹脂のPA6/PA66に、黒物やカラーに対応したフッ素ゴム、シリコーンゴムをはじめゴムコンパウンドも現状対応が可能。当社は国内の原材料をはじめ、特に台湾、韓国、中国製の原材料商社として国内企業と実績を重ねてきた。グローバル規模で原材料不足が叫ばれる中、BCP の一環として安定した原材料供給に貢献したい」(椎名孝雄 社長)としている。

 双龍産業では2018年から国内代理店として中国・赞南(ザンナン)科技ザンナン社(本社・中国上海市)のH-NBR「Zhanber®(ザンバー)」の販売を行っている。ザンナン社は触媒とポリマー材料の開発企業として2009年に設立され、浙江省に製造拠点を持つ。

 「ザンバー」は同社が調達したニトリルゴムに独自開発の「ザン触媒」を使用して水素添加した製品。「H-NBRは世界的にもサプライヤーは限られており、今後も積極的に販売をしたい。現在不足している水添加した中高ニトリルタイプのH-NBRをメインに販売する」(同)方針。

 ナイロン66、ナイロン6についてはポリブチレンテレフタレート(PBT)コンパウンドメーカーの中国・金発(キンファ)社(本社・中国上海)製のPA66、PA6で、「現行使用材料、要望に沿った製品について対応する体制があり、不足しているPA66、PA6に関しても、要求に対応が可能」(同)としている。

 キンファ社は1993年の設立。自動車機能部品向けコンパウンド樹脂や複合材料製品を製造し、中国をはじめ欧米、インド、マレーシアに全14カ所の製造拠点を持ち、樹脂コンパウンドのグローバル生産能力は年産200万トンを誇る。

 また、台湾製ゴムコンパウンドは長泓膠業(チャンホン・ラバー)社(本社・台湾台中市)から取り寄せる。同社は1995年に台湾・台中に設立された台湾大手のコンパウンドメーカーで台湾のコンパウンド業界の大手として自動車、化学、重工業、食品、水産業などに向けたゴムコンパウンドを開発しており、特にカスタマイズ化に注力してきた。

 各種合成ゴムをはじめ、フッ素ゴム、シリコーンゴム、カラーゴムコンパウンドにも対応が可能。台中の本社のほか上海・松江市、タイ・ラヨーンにコンパウンド工場があり、合計年産4万8千トンの能力を持っている。

 「現在不足しているフッ素ゴムにおいても自社にてプレコンパウンドからフルコンパウンドまで生産し、2元ポリオール架橋、3元ポリオール架橋、3元パーオキサイド架橋も可能」(同)だ。

 ■問い合せ先:双龍産業・東京本社(電話03-3279-2491、info@sohryu.co.jp)、名古屋支店(同052-218-3515)、大阪支店(同06-6222-2702)

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