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IBMによる解析システム

日本ゼオン、AIを活用した「技術動向予兆分析システム」の稼働を開始

原材料 2021-12-17

 日本ゼオンと、日本アイ・ビー・エム(東京都中央区、山口明夫代表取締役社長、以下=IBM)は、特許などの知的財産分析を経営判断に活かしていくために、12月からAIを活用した「技術動向予兆分析システム」の稼働を開始した。

 同システムは、IBMのAIで、複合的な検索・テキスト分析のプラットフォームである「IBM Watson Discovery」を活用している。日本ゼオンでは、同システムを活用することで、10万件以上の大規模で複雑な特許データを効率よく網羅的に解析することが可能となった。これによって、移り変わる市場や需要、技術トレンドの予兆を的確かつ迅速に捉え、持続可能な社会に貢献し続けるための「ものづくり」に繋がるアイデアを導き出す。

 同社では、サステナビリティーへの関心が高まる中、燃料や原料双方における化学資源からの脱却や脱炭素戦略を盛り込んだ持続可能な社会に貢献し続けることへの転換を図るため、競争力の源泉となる研究開発での時流や目的にあった技術動向の予兆分析が喫緊の課題となっていた。

 そこで、中期経営計画に「カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを実現する『ものづくり』への転換を推進する」と掲げ、適切で質の高いテーマ創出に注力していくため、特許などの知的財産分析を企業の経営判断に生かすIPランドスケープの確立を推進してきた。

 IPランドスケープとは、自社を取り巻く知的財産の内外の状況を調査・分析し、そうした情報に基づいて自社の知財戦略・経営戦略の策定や適切な知財業務を行うこと。

 今回、特に分析軸としてトレンド分析を利用し、技術や研究領域の動向や最新の研究結果を可視化することで、新たな事業展開マーケットの割り出しや、日本ゼオンの技術と親和性の高い特許の発見が期待される。同社では「本稼働に向け3か月間の実証期間の中で、新たな事業展開に向けた新たな『ものづくり』に繋がるアイデアを発見することができた」としている。

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