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日本・アジア・欧州・北米の4極体制を確立

宇部興産、北米コンパウンドメーカーを買収

原材料 2020-03-25

 宇部興産は3月23日、連結子会社で、米国においてコンパウンドの受託加工を行っているPremium Composite Technology North America(=PCTNA社、本社:米国・インディアナ州フランクリン、飯久保哲也社長)の買収を決定したと発表した。

 1月31日に株式譲渡契約書を締結し、4月1日をメドに宇部興産がPCTNA社の株式100%を豊田通商から譲り受け、新体制で事業を開始する。

 PCTNA社は、豊田通商グループ企業として2009年に設立。米国で主にナイロン以外の樹脂を原料とするプラスチックコンパウンド受託加工事業を行っている。日系自動車メーカー向け品質管理体制を整備しており、その品質は高い評価を得ている。

 宇部興産では中期経営計画において、ナイロン6事業を積極拡大事業と位置づけ、市場優位性を持つ押出用途のさらなる強化と、射出用途の事業領域の拡大を進めており、今回の買収はその一環となる。

 同社は2019年3月に、欧州子会社のウベコーポレーションヨーロッパ(本社:スペイン・バレンシア州)がスペインのプラスチックコンパウンド製造・販売会社を買収し、射出・コンパウンド事業における海外拠点の拡充を行っている。

 今回の買収により、従来の 日本・タイ・スペインの製造拠点に加え、新たに北米でも自社コンパウンド製造拠点を獲得することになる。日本・アジア・欧州・北米の4極体制の確立により、 自動車メーカー(OEM)/自動車部品メーカー(Tier-1)へのグローバルな供給が可能となる。

 また、宇部興産はPCTNA社の持つ樹脂コンパウンド に関する技術・ノウハウを獲得することができる。市場のニーズに応じた最適な樹脂種の提案、組み合わせが可能となり、宇部興産グループの製品開発、市場開発に大きく寄与することが期待される。

 コンパウンド受託加工を宇部興産の新たな成長の機会と捉え、内製コンパウンドとのシナジーを通じ事業を展開することで、射出・コンパウンド市場における地位をより強固なものにしていく。

 ■PCTNA社の概要(3月1日現在)
 ◇名称=Premium Composite Technology North America◇所在地=米国・インディアナ州フランクリン(本社・工場)◇代表者=飯久保哲也氏◇事業内容=プラスチックコンパウンド受託加工◇資本金=10.1百万ドル◇設立年月=2009年2月◇大株従業員数主および持ち株比率=豊田通商(77.72%)、Toyota Tsusho America(22.28%)◇従業員数=35人(2019年8月31日現在)◇売上高=31.6百万ドル(2019年3月期)

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