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【特集】CMB

日本ゴム精練工業会、16年の総生産量は前年並みに

原材料 2016-12-07

 総生産量は、工業会設立間もない89―93年頃は約20万トンの大台に乗っており、中でも91―92年は2年連続で約23万トンとピークを記録した。当時の加盟企業数は27―30社であり、現在の24社との単純比較はできないが、四半世紀でほぼ半減した。

 需要減少に加え、顧客ニーズが小ロット多品種へとシフトしていることで、段取り替えやクリーニングタイムの頻度増加などによる生産効率低下や、小ロットにおいても1バッチごとの試験実施要請が増加していることによるコスト上昇といった課題もある。

 さらにはここ数年の懸案事項である品質保証や環境保全の観点から、PRTR法やMSDS・GHSラベル制度への取り組みも求められており、専門知識取得や専任担当者充実、人件費増加なども課題となる。

 各種原材料の空き袋、パレット、ドラム缶といった産業廃棄物処理費用も、年々上昇傾向にある。産業廃棄物の処理は、精練各社が行うケースが大半で処理費用負担増が課題であり、リサイクルシステムの早期の構築が望まれている。

 この様な環境下にあっても、精練メーカー各社はゴム精練企業として永年にわたり蓄積してきた専門的なノウハウを積極的に活用し、素材であるゴムを『ゴム製品』とする過程で必要不可欠な精練工程を担っている。この精練工程はゴム製品が存在する限りなくならず、ゴム業界への精練企業の貢献度は大きい。

 日本ゴム精練工業会も発足以来25年以上の間、会員企業や精練業界の地位向上、業界活性化のための様々な施策を打ち出し精練業界をバックアップし続けている。特に昨年度からは、会員企業の一般社員を対象とした「研修会」を開催している。すでに3回実施するなど、魅力ある工業会を目指して活動を一層活発化している。またホームページや、7月25日開催の東部工業用ゴム製品卸商業組合工業用品部会主催の商工懇談会への初参加など、精練業界の外部に向けた情報発信や啓蒙活動を展開している。

 10月27日開催の「平成28年度臨時総会」では、会員増強策や賛助会員制度の新設、海外視察実施などが決議されるなど、これら活動を通し日本全国をカバーするゴム精練業界唯一の業界団体として、存在意義を高めている。

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