厚肉成形、軽量化等にメリット
三ツ星ベルト、1980年から生産しているSF成形品
工業用品 2017-08-08
自動車・二輪車用、一般産業用伝動ベルトや搬送ベルトといったベルト事業を中心に展開する三ツ星ベルトが、1980年から生産しているのが発泡射出成形品。1960年代にアメリカで開発されたSF成形と呼ばれる成形法を活用し、パソコンやプリンタといったOA機器筐体や写真現像処理槽などを生産してきた。
SFはStructural Foamの略。樹脂ペレットと化学発泡剤を金型に注入し成形する。表面に発泡しないスキン層、内部に発泡層のある成形品を得ることができる。樹脂は変性ポリフェニレンオキサイド(変性PPO)や変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ナイロン(PA)など多くの熱可塑樹脂に対応している。
一般の射出成形に比べ射出圧力は低圧で、発泡することにより金型へ樹脂を注入した後の保圧を必要としない。4-10ミリの厚肉成形が可能で、発泡成形のため厚肉にもかかわらず軽量化できる。ガスアシスト成形との融合により、20ミリ以上の超厚肉部を中空化することもできる。
また寸法安定性に優れ、部品数の集約、一体化が可能なため工数の低減やトータルコストの削減も図ることができ、一般の射出成形と比較して、ヒケ(へこみ)、ソリ、ひずみ等の少ない成形品を得ることができる。これら特徴により、大型で複雑な成形品の一体化生産に向いている。
コストは、RIM成形や圧空成形、真空成形に比べ製品単価が安く、射出成形より金型費用が安い。そのため、射出成形で行うには小ロットだが、RIM成形や圧空成形、真空成形で行うにはロットの大きい製品の生産に適している。
製法上の特徴でもある樹脂の流れ模様のスワールマークが製品表面に現れるが、同社では社内塗装でニーズに合わせた化粧塗装、シルク印刷を行っており、対策も可能だ。「SF成形は知名度が低いため、厚肉成形や軽量化のメリットをPRできるように取り組んでいく」(三ツ星ベルト)
以前は、生産品の多くを写真現像処理槽用途で占めていたが、デジタルカメラの普及により需要が激減した。現在は血液分析装置のベースやトップカバーなど医療分野の機械向けが多い。「今後も用途開拓に加え、板金やダイカスト、FRPで生産している製品の代替を目指していく。これからも国内で生産が残っていく分野、付加価値のある分野で展開していく」(同)考えだ。
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