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世界市場の貿易摩擦背景に二国間の連携強化を訴求

ドイツ機械工業連盟、カヴラート会長が来日し会見

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 ドイツ機械工業連盟(VDMA)は9月22日、ベルトラム・カヴラート会長の来日に伴い日本外国特派員協会(東京都千代田区)で記者会見を開催。市場において世界的な貿易摩擦が激化するなか、ドイツ・欧州と日本の緊密な連携が必要であると訴求した。

ベルトラム・カヴラート会長


 VDMAは、130年以上の歴史を有する機械製造業会団体で、会員企業3,600社以上、事業就業者100万人以上、関連する売上高は約2,630億ユーロ(約45兆円)となる欧州最大の産業団体。傘下には、工作機械工業会、ロボット工業会、建設機械工業会、プラスチック・ゴム加工機械工業会など36工業会が加盟している。日本には1984年から事務所を置き、会員企業約160社の国際ビジネスの拡大を支援している。

 ベルトラム・カヴラート氏は2024年10月にVDMA会長に就任。会長としての来日は11年ぶりとなる。

 会見の中でカヴラート会長は、今回の来日の理由について説明。「ドイツと日本の産業は輸出に依存している。輸出のためには、自由で開かれた市場、そのための明確なルールが必要だ。米国の関税や中国の市場を歪める商習行など、世界貿易機関(WTO)とその自由な世界貿易のルールが影響力を失いつつある。こうした市場の歪みにおいて、日本などの既存のパートナー国との協業拡大が重要となる。二国間貿易の可能性を最大限に活用していく」と強調した。

 また、日本との技術的な協力については、「高齢化社会を含む人口構造の変化、持続可能な生産方法の模索など、欧州と日本は同様の課題を抱えており、向こう10年は産業界のデジタル化に直面する」とした上で、「相互接続性における標準化において、両国間で緊密な連携ができる」と期待を示した。

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