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ユーザー目線のアイデア光る

𠮷野ゴム工業、エンドレス交流会にて新製品を紹介

工業用品 2025-08-01

 𠮷野ゴム工業は6月12~13日、同社のベルトエンドレス協力企業を対象に「第12回エンドレス交流会」を開催した。同交流会はエンドレス加工と、関連するノウハウの共有を目的として、同社が実技演習や安全講習を実施する。同交流会2日目には、同社丹波篠山工場にてベルトコンベヤシステムの実機体験と新製品紹介が実施され、参加者に同社の持つ幅広いソリューションが公開された。

Prevenance Eye(プリべナンス・アイ)

 ベルトコンベヤシステムの設計・施工・メンテナンスまでトータルでサービスを提供する𠮷野ゴム工業。同社が新たに提供を開始したのがベルトコンベヤの故障予知予防保全システム「Prevenance Eye(プリべナンス・アイ)」だ。

 同システムは、電動機や軸受け部等の回転体に振動熱センサーと接点センサーを設置することで、無線により各コンベヤ部品や計装品類の状態を検知することができ、異常を検知するとインターネットを経由して設備管理者などに知らせてくれるIoTシステム。振動熱センサー、CT(変流器)などで計測した振動や電流値の変化からベルトコンベヤの異常検知を行うことに加え、カメラで異常発生箇所を視覚的に確認できることから、高い検知精度を実現している。


 各数値とカメラによる映像は、クラウド上で確認が可能だ。実際に異常を検知した際には、PC、スマホ、ウェアラブルデバイスなど、機種問わず通知設定ができることから、場所を問わず、ユーザーと共にベルトコンベヤの保守点検をできることが最大のメリット。

■オプションサービスに「火災検知・消化システム」

 現在は、同システムのオプションサービスとして「火災検知・消化システム」の構築に取り組んでいる。

 ベルトコンベヤが使用される現場のうち、「ごみ処理場での火災発生が多い」(𠮷野ゴム工業)という。なかでも、電子タバコなど小型の電子製品に内蔵されたリチウムイオン電池の発火によるものが多く、「ユーザーからもベルトコンベヤ自体の故障予知に加え、火災検知の要望もいただくようになった」(同)ことから、開発に着手した。

 火災検知・消化システムでは、炎センサーを通して火に含まれる紫外線を検知することで、火災への素早い対応を可能にする。同交流会では実演も行われ、参加者らの関心を集めた。現在はプリべナンス・アイと共に拡販を進めている。

火災検知・消化システム実演のようす(発火)


火災検知・消化システム実演のようす(火災を検知し、消化)

廃ゴムチップ入り桟

 廃ゴムチップ入り桟は、ゴムの廃材をチップにしたゴム使用率約20%の環境配慮型製品だ。桟の中心部に廃ゴムを、その周りを新ゴムで覆う2層構造で、耐久性や強度も従来品と遜色がないのが特長だ。

廃ゴムチップ入り桟。廃ゴム(中心部)の周りを新ゴムで覆う2層構造


 今回使用した廃ゴムは日東化工の廃タイヤゴムチップ。「将来的にはコンベヤベルトの加工過程で発生したバリや廃棄ベルトによるゴムチップでの製造を目指したい。今は新ゴム部分をなるべく少なくしようと開発を進めている」(同)。

製品に使用されている廃タイヤゴムチップのシート

付着軽減コンベヤベルト「ノンアドEX」

 ノンアドEXは、ベルト表面への搬送物付着を軽減する製品。ベースゴムに樹脂や離型剤を混ぜることで、耐摩耗、耐油性能を保ちつつ、ベルト表面への搬送物付着を軽減できることから、搬送物の荷こぼれ防止やベルト表面の清掃作業の負担軽減に貢献する。

■素材の応用展開も可能

 同製品で使用される特殊配合ゴムは、桟やスカートゴムへの応用も可能だ。例えば、スカートゴムに使用する場合。通常のスカートゴムは、ベルト本体の早期摩耗やコンベヤの過負荷を起こさないよう配慮する必要があるため、取り付けの微調整が難しいとされている。一方、ノンアドEX仕様のゴムを使用したスカートゴムの場合、摩擦係数が低いことから、スカートゴムがベルトに触れてもベルト本体へのダメージを低減でき、電流値異常も起こしにくい。

エンドレス交流会では、付着防止加工のされたベルトと、加工なしのベルトそれぞれに重しをのせ、参加者らに引っ張り試験をしてもらうことで製品の特長をアピールした。

ベルトカッター

 ベルトカッターは同日初公開された同社の新製品。同製品は、従来のベルトカット作業に伴う危険性を考慮し、より安全なカット作業を目的に開発された自動カッター。海外製品と比較してもコンパクトで操作性が高いことが特長だ。

 従来、ベルトのカット作業にはカッターナイフが用いられていたが、厚みのあるベルトは切断しづらく、その扱いづらさから長年エンドレス加工に携わる職人であっても切創事故が少なくないという。また、同社にも古ベルトの処分など顧客からベルトのカットを依頼されることがあり、人手も不足する中でそれら全てをカッターナイフで処理することに限界があったことから、安全性の向上と、同社のベルトカット業務の効率化を目的にベルトカッターが開発された。

■エンドレス加工業者を取り巻く労災関連のルールとその対策

 「昨今、労災の観点から研削砥石の交換にも特別講習の修了証が必要になった。こうした流れはカッターナイフの使用にも及ぶ可能性があると捉え、安全性を考慮した自動カッターを発売した。カッターナイフの扱いに慣れていない新人の職人でも安心して使用ができる製品だ」(𠮷野ゴム工業)

ゴムシートのカット実演のようす。カッターナイフでは何度も刃を当てる必要がある作業を、同製品の使用によりスムーズかつ安全に行うことができる

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