【特集】伝動ベルト
バンドー化学、今期は1ケタ%の増収見込む
工業用品 2017-06-27
バンドー化学の17年3月期伝動ベルト部門の売上高は、約3%の減収だった。海外が好調に推移し、現地通貨ベースでは増収だったものの、円高の影響を受けた。
自動車用ベルトは、国内は前年度並みだったが、海外はタイやアセアンを中心に伸ばした。国内はベルトの非装着車種の増加や軽自動車の販売不振の影響を受けたが、補修市場で挽回し、前年度並みを確保した。一方の海外は、欧米で収益性を重視した受注を行ったことや中国で納入先メーカーの販売減があったものの、タイが堅調に推移したほか、アセアンやインドではスクーター用変速ベルトの販売が増加した。
産業用ベルトは国内が減少も、海外は中国、タイを中心に販売を伸ばした。国内は設備投資の減少に伴う産業用機械の生産減の影響を受けた。海外は米国で設備投資減少の影響を受けたが、中国やタイでは農業機械用や産業機械用が伸びた。OA用ベルトは、主要顧客の生産減と為替の影響により、ほぼ横ばいの推移だった。
今期の伝動ベルト部門は、前年度比で1ケタ%の増収を見込む。為替はほぼ横ばいを前提としているが、懸念材料は原材料価格で、動向次第では収益に影響するとみている。
自動車用は、国内は補修市場に引き続き注力する。一方の海外は、アジアでスクーター用変速ベルトの拡販を図る。今秋には同製品を生産するインド、ベトナムの新工場が稼働を予定しており、生産能力の向上でさらなる拡販に繋げていく。
産業用は設備投資が不透明な中、オリンピック需要も含め空調関係やインフラ関連への対応を進める。また医療機器・ロボット・射出成型機等の産業機械の同期伝動に最適なシンクロベルト「Ceptorシリーズ」など高付加価値品の拡販にも注力する。
中国、タイの農機用は今期も順調に推移する見通し。日系メーカー中心に拡大していくが、ローカルメーカーについても「最近は高機能品を求める会社もある」(バンドー化学)として拡販を進める。
注力製品は「Ceptorシリーズ」の最上級グレードとして、高トルク伝動を実現した高負荷対応の歯付ベルト「Ceptor-Ⅹ」や高弾性アラミド心線を採用した結合型細幅Vベルト「パワーエース アラミドコンボ」。いずれの製品も従来品に改良を加えた高付加価値製品で、それにより「従来品では対応が難しかった用途へも働きかけていく」(同)考えだ。
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