「材質の特性から選ぶ!産業機械用伝動ベルト選定講座」をテーマに
バンドー化学、ウェビナーを開催
工業用品 2025-04-25
バンドー化学は4月22日、「材質の特性から選ぶ!産業機械用伝動ベルト選定講座」をテーマに、ウェビナーを開催した。

ウェビナーの様子
今回は、明石貴光産業資材事業部営業部部長兼伝動営業グループグループ長がMC・講師を務め、「ベルト仕様と使用用途(アプリケーション)を理解する」、「伝動ベルトに使用される基本的な材質および特徴を理解する」をゴールに、同社の伝動ベルト製品を紹介・解説した。
伝動ベルトには、ベルトとプーリが擦れる摩擦力で動力を伝達する「摩擦ベルト」と、ベルトとプーリの歯がかみ合うことで動力を伝達する「歯付ベルト」があり、それぞれゴム製とウレタン製のものがある。
ゴム製歯付ベルトを例にみると、使用されるゴム材料は、①天然ゴム(NR)②クロロプレンゴム(CR)③エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)④ニトリルゴム(NBR)⑤水素化ニトリルゴム(H-NBR)などがあり、それぞれ異なる特性を持つ。
NRは、耐寒性に優れているが、耐熱性、耐薬品性は劣る。CRは温度領域、ゴム強度などの汎用性に優れ、自己消炎作用がある。EPM/EPDMは耐熱、耐寒、耐オゾン性、高摩擦係数に優れており、摩耗性は低い。NBRは耐油性に優れ、配合によってはFDAも取得でき、白色配合も可能。H-NBRは耐熱性、耐油性に優れている。耐寒性・耐オゾン性は劣り、低摩擦係数となっている。
ウレタンゴム製歯付ベルトの場合、使用される材料には熱硬化ウレタンと熱可塑ウレタンがある。
熱硬化ウレタンはウレタン部材を金型に注型して、熱で硬化させて固める素材で、高弾性かつ材料強度も優れている。ただ、再溶解はできない。
一方、熱可塑ウレタンはウレタン部材を熱で溶解させて押し出し注型で製造する材料となっており、背面に突起形状など、後工程で熱融着させることが容易となっている。
なお、同社のウレタンは、ゴムとプラスチックの利点を合わせ持ったポリウレタンエラストマー「バンコラン」を採用している。
ウェビナーでは、形状や材質によって得られる効果が異なるため、使用用途に適したベルトの選定が重要と解説。また、同社では、ホームページ上(https://products.bandogrp.com/)で「ベルト設計・選定サポートプログラム」を公開しており、ユーザーの最適なベルト選定を支援している。
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