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2024年1~12月の統計

2024年のロール、4,244トンで1.1%減、3年振りのマイナスに

工業用品 2025-02-05

 日本ゴム工業会がまとめた2024年のロール生産量は、合計が4,244トンで前期比1.1%減。2021年を底に回復傾向が続いていたが、3年振りにマイナスに転じた。

 用途別では、製鉄用は1,126トンで同2.8%減。鉄鋼メーカーの主要需要先となる自動車生産は、一部メーカーの不正問題による停滞は脱しつつあるが、中国など海外市場の競争が激化し不透明感が増している。鉄鋼メーカーの生産はライン統合も進んでおり、ロール需要に繋がりにくい状況となっている。

 製紙用は483トンで同1.5%増。ペーパーレス化の影響で、関連業界では工場閉鎖や設備統合が進み、市場はシュリンクしている状況。ただ、その中でもトイレットペーパーなどの生活用紙や段ボールなどの厚紙の需要は底堅く、ロール受注にも動きがある。

 印刷用は1,356トンで同2.2%減。印刷物の減少に伴い市場が縮小傾向にあるのは製紙用と同様。その中でも、UV印刷用や包装印刷用の需要は底堅く、受注を下支えしている。ただ、需要先となる印刷所の設備統合や廃業の動きも継続しており、全体としては減少傾向で推移している。

 その他用は1,278トンで同0.7%増。下半期の生産量は前年同期割れとなったため、年間では微増に留まった。中心となるフィルム用の需要が落ち込んでいる。大型フィルム生産の中心地である中国市況が停滞していることで、フィルム機械メーカーの輸出が滞っていることが影響した。外壁等住宅用も、住宅着工件数の減少に伴い需要は落ち込んでいる。

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