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【インタビュー】十川ゴム社長十川利男氏

今期売上148.5億円見込む

工業用品 2016-08-08


 16年3月期売上高は144億6400万円で前期比1.6%減となったが、経常利益は原材料安、原価低減努力により2億2600万円で40.9%増となった十川ゴム。十川利男社長に現況ならびに今期見通しなどを聞いた。

 ―足元の業況は。
 「第1四半期の結果は前年同期に比べ若干のマイナスでしたが、7月まで加えると1%の増収となっています。しかし年間計画では2.6%増なので、まだ不十分です。

 当社を取り巻く業況は基本的に前年度と変わっていません。自動車関係は好調ですが、ガスホースは今期も低調の見込みです。土木・建築、住宅等のインフラ需要も伸びていません。とくにガスは来年度自由化を控え大波が予想されますし、当社取引先の外部的要因もあって先行き多くは望めません。

 特定ユーザー向けの特殊ゴムシートは昨年に続き順調です」

 ―今期の業績予想は。
 「売上高は前期比2.6%増の148億5000万円、利益は前期並みか若干の増益を見込んでいます。ただ世界的なテロの頻発、英国のEU離脱、米大統領選挙に絡むTPPの先行きなど不透明な部分も多く、経済がどう動くか判断が難しい状況です。政府の景気対策に期待したいところです」

 ―ホース類と工業用品類の売上比率は。
 「従来は半々だったのですが、ここにきて工業用品の方が多くなっています。前期ホースは5%減で59億8200万円、工業用品は2.1%増の75億5100万円となっています」

 ―前期売上高の内容は。
 「ホースは、自動車用燃料ホースや食品用シリコーンホースなどが増加、一方ガスホースが暖冬影響などで、油圧機器用高圧ホースは中国などの景気減速もあり大きく減少しました。

 樹脂ホースは、住設関係の水栓用、農業園芸用スプレーホースは伸びましたが、家電用が海外製品への切り替えで減少。新エネルギー関係で燃料電池向けが伸びました。

 工業用品は、型物で医療用が増加、ガス工事部材が減少で微増。押出成形品は自動車用燃料ホース、設備装置向け、土木建設向けが好調、しかし家電用、一般機械向けの低迷で微増。ゴムシートは自動車産業用をはじめ、その他特殊素材シートが好調で増収となりました」

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