【特集]ゴム・樹脂ホース
横浜ゴム、統合後の長野工場 下期から本格生産
工業用品 2017-03-31
横浜ゴムの17年度ホース配管事業は、国内外とも伸ばすことで増収増益を目指す。油圧ホースの主需要先である建設機械の市場環境が好転しており、「国内は排ガス規制の需要が終わるとみられる8月以降は不透明だが、中国、東南アジアでも建機需要は回復傾向にある。中でも中国は16年より需要が高まっており、杭州の生産拠点はフル生産の状況」(横浜ゴム)という。国内では下期に2ケタ近く、また海外でも下期に2ケタ伸ばしたいとしている。
17年は、ホースと金属継手のアッセンブリーを行う長野豊丘工場、金属継手の生産を行う長野高森工場の2拠点に分かれていた長野工場を1拠点に統合する。昨年には長野豊丘工場で新建屋の竣工式を実施した。長野高森工場の設備を順次移管し、夏には移管作業が終了する予定だ。これにより、金具製作からアッセンブリーまでを一貫生産できるようになるため、生産、物流含め業務の効率化に繋がるという。下期から本格生産となる予定で、併せて設備投資を実施する。「新しい製法、新しいものづくりによって、生産能力も向上していく」(同)としている。
また、カーエアコンの次世代冷媒方式として欧州で普及が進んでいるHFO-1234yfに対応したカーエアコン用ホース「AC6B 11」の販売にも注力する。「当社は次世代冷媒方式に対応したホースの種まきをこれまで行ってきたが、17年度末から18年度には本格的に刈り取っていきたい。この次世代冷媒方式の採用は、2020年以降には日本でも始まる。まだラインアップが十分とは言えない部分もあるので、今後はバリエーションを増やしていきたい」(同)としている。
昨年に発売を開始した82MPaでの水素充填に対応する高圧水素ガス用ホース「ibar HG82」の拡販にも取り組む。「水素ガス用ホースは、これから市場を作っていかなければならない。水素ステーションでの水素充填だけでなく、搬送用など配管を含め提案していく」(同)考えだ。今後は、国際基準と同等の87.5Mpaに国内の水素ステーションも高圧化するとみており、同社としても87.5Mpaに対応したホースの開発を進めていく方針。
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