PAGE TOP

日本規格の国際化を推進

年頭所感/日本ホース金具工業会 蜷川広一会長

工業用品 2023-01-16

 2022年も引き続き全世界が新型コロナの影響を受けた一年でした。一方で新型コロナへの対処が日々進化し、経済活動も徐々に正常化されて景気の緩やかな持ち直しも感じます。しかしながらロシアのウクライナ侵攻による国際的な政情不安、半導体をはじめとする部品の供給不安や原材料価格の高騰、世界経済の減速、急激な円安などが懸念材料となっており、取り巻く環境は依然として厳しい状況です。

 大手需要先である建設機械(本体合計)は、1~10月累計で国内が前年同期比3.4%増、輸出が同25.0%増、合計が同17.3%増でした。直近の10月は国内が1.7%増と4カ月連続の増加、輸出は30.8%増で24カ月連続の増加、合計では20.6%増で24カ月連続の前年同月比プラスとなりました。

 工作機械の1~10月受注額は、国内が前年同期比26.0%増、輸出が同14.4%増、合計は同18.1%増で24カ月連続プラスとなりました。国内は全11業種中10業種が好調で、輸出は欧州向けが前年同期比10.3%増(構成比19.7%)、アジア向けが同8.2%増(構成比48.3%)、北米向けが同28.7%増(構成比29.9%)となっています。

 さて、当会の需給状況ですが、2022年1~10月の出荷実績は528億円(前年同期比97%)となっています。内訳は産業用ゴムホースが410億円(前年同期比98%)、自動車用ゴムホースが31億円(同90%)、樹脂ホースは62億円(同102%)、付属金具は25億円(同86%)でした。

 2023年は、諸外国に比べてコロナ禍からの回復が遅れていた分、回復余地が残されていることもあり、欧米と比較すれば目先の景気は底堅く推移する可能性が高く、原材料高など景気の行き先に不透明な状況には変わりないものの、産業機械や半導体業界の好調さを背景に良い年になることを願っています。

 ISO/TC45(液圧用ゴムホース及びプラスチックホース)関連では、2022年10月に奈良で開催予定の国際会議は中止となり、一昨年と同様Web会議での開催となりました。国内審議会は一昨年同様Web会議で4回の会議が開催されました。

 ISO/TC131(油圧・空気圧システム及び要素機器)関連では、2022年10月に姫路で開催予定の国際会議はWeb会議となりました。国内審議会は一昨年同様Web会議で4回の会議が開催されました。

 2023年は、TC45、TC131ともに国際会議が無事開催され、日本の考え方をISOに反映させて日本規格の国際化を推進する活動をさらに進めていきたいと思っています。

人気連載

  • マーケット
  • ゴム業界の常識
  • 海から考えるカーボンニュートラル
  • つたえること・つたわるもの
  • ベルギー
  • 気になったので聞いてみた
  • とある市場の天然ゴム先物