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今年で創業70周年、2020年に売上高60億円目指す

【インタビュー】冨士高圧フレキシブルホース・藤井淳専務取締役

工業用品 2017-03-13


 今年3月に創業70周年を迎える冨士高圧フレキシブルホース。高圧ゴムホースや高圧パイプを専門に扱う配管トータルメーカーとして高い実績を持つ。同社の藤井淳専務取締役に16年12月期の業績や17年度の業績計画、企業概要についてインタビューした。

 ■16年12月期業績
 売上高は57億3,000万円でほぼ前期並み、利益も前期並みの見込みだ。16年度は、15年度に建設機械の排ガス規制に関わる駆け込み需要があったため、その反動で減少すると予想していたが、建機の生産台数が年間を通じて安定していたため、売上高、利益とも前年並みを確保することができた。大型建機向けは減少したが、小型建機向けの販売が好調だった。

 当社売上高の内訳は高圧ゴムホースが40%、継手が40%、パイプが20%を占めている。需要先は建設機械関連が5割を占めており、次いで農業機械、造船、鉄鋼が主力ユーザーになっている。

 ■17年度業績計画
 売上高は前年比若干増の58億円を計画している。9月に小型・中型建機の排ガス規制が改定されるので、今年前半は旧型建機の特需が期待され、売上高も好調に推移すると予想している。しかし、その後の反動減が心配だ。建機関連以外でどのようにカバーし、売り上げ拡大につなげていくかが問題だ。

 ■売上高60億円目指す
 当社は2014年に、リーマンショック後最高となる売上高60億円を達成した。2020年には2014年と同じ、売上高60億円を目指しており、それ以降は、この水準をキープしていきたいと思っている。そのためにも今後は、建機の補修部品販売や配管の施工にも力を入れていく。開発・製造から品質確認までできる当社のスキルを活かし、市場の困りごと解決など、アフターサービスまで視野に入れた事業展開を目指していく。

 ■海外拠点の現況
 中国の合弁会社は景気減速の影響を受け苦戦している。ただ中国の景気低迷も底打った感があり、16年は15年に比べ業績が改善している。17年はさらに改善すると期待している。そのほかタイとインドに技術供与会社があり、韓国には部品製造の協力会社がある。インドは昨年3月に操業を開始したが、建機向け需要が旺盛で順調に推移している。

 ■需要業界の現況と見通し
 主要需要業界である建設機械メーカーについては、2020年の東京オリンピックに向けた需要を見込んでいたが、これまでのところ特需的な動きはなく、全体的には下方傾向にある。鉱山開発用機械は減速し、都市開発向けの小型建機のシェアが増加している。海外については、中国をはじめとするアジア・東南アジアは景気低迷が底を打ち少し上向きになっている。

 造船業界は為替の影響を大きく受け、造船会社の受注状況も不安定と聞いている。需要業界は全般的に低調で、先行き不透明といえる。

 ■創業70周年
 当社は私の祖父である藤井軒逸が1947年に、藤井ブレーキ製作所として創設した。当時の劣悪な道路事情に創業者が目を付け、トラック・バスのパイプ配管をゴムホースに切り替えることを提案したのが事業の始まりだ。その後、横浜ゴムの認定工場指定を受け、高圧ゴムホース製造や高圧パイプの溶接事業に参入し、現在では、配管総合メーカーとしてあらゆる流体の配管を製造・販売している。当社は創業以来、地元山口県光市で事業展開し、今年3月には創業70周年を迎える。

 ■人材確保
 人材確保には苦戦している。地元での知名度が低いのか、学生からのアプローチは少ない。これからは企業から伝えなければ、知られないということをベースに人材確保を進めていく。今年は採用時期である1月からの3カ月間、地元の山口放送で当社を紹介するテレビCMを放送した。優秀な人を集めるには、企業の認知度やイメージアップをはかることも重要だ。

 また現従業員に対する人材教育を継続することで「育てる」と、いうことも重要だと思っている。育てることで優秀な人材になってもらうことにも期待している。

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