PAGE TOP

薄膜高断熱材

住友理工 、「ファインシュライト」が愛知発明賞を受賞

工業用品 2022-06-29

 住友理工の薄膜高断熱材「ファインシュライト」が、愛知県発明協会が主催する「令和4年度愛知発明表彰」で愛知発明賞を受賞した。

薄膜高断熱材「ファインシュライト」(シートタイプ)


 同賞は愛知県内における発明の奨励・振興を図ることを目的に、県内で優秀な発明をした人達を表彰する事業として、1980年度から実施されている。住友理工は、技術者の開発意欲向上や固有技術のPRを目的に同表彰に応募しており、前々回の窓用高透明熱・断熱フィルム「リフレシャイン」(発明奨励賞)に続き、今回、愛知発明大賞に次ぐ愛知発明賞(他4社)を受賞した。

 ファインシュライトは、空気が動けないほどの微細なナノサイズの細孔を持つ高断熱フィラー「シリカエアロゲル」を塗料化し、不織布や成形樹脂などの基材にコーティングすることで、静止空気以上の高断熱性を発揮する。

 シリカエアロゲルは、その高い断熱性から様々な用途への応用が期待されていたが、軽量な粉末状である扱い難さや脆さなどが課題で、これまで一般に普及していなかった。

 同社が発明した断熱材用塗料は、シリカエアロゲルを相性が悪い水に安定分散化させることに成功しており、対象物に容易に塗布することで薄膜断熱シート化することが可能になる。そのため、自動車、工場等の熱発生源や保冷ボックス等のスペースに制約があるような部位であっても簡便に施工でき、各種用途で断熱性を飛躍的に高めることが可能になる。

 断熱材分野では、省スペースかつ高断熱性を有する断熱材を望まれており、今回の発明により、溶剤レスで環境に優れ、施工性の高い断熱材の供給を実現したことが受賞へと繋がった。

人気連載

  • マーケット
  • ゴム業界の常識
  • 海から考えるカーボンニュートラル
  • つたえること・つたわるもの
  • ベルギー
  • 気になったので聞いてみた
  • とある市場の天然ゴム先物