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【特集】ゴム用機械・試験検査機

東海ロール、チルドロールの国内シェア約50%

工業用品 2021-05-11

 東海ロール(岐阜県大垣市)は、国内唯一のチルドロールメーカー。同社ではチルドロールを鋳造から加工、最終研磨まで自社内複合設備による一貫体制で製造しており、国内シェアは約50%を占めている。

 同社の祖業事業は、食品加工分野の効率化に不可欠なチルドロールの開発製造。以降、ゴム・ビニール用、塗料・インキ用、製紙用と事業領域を拡大してきた。現在の主力分野はゴム用ロールで売上高の70%を占め、残り30%が製粉・製菓・製油などの食品用や塗料・インキ用、製紙用など。販路比率は機械メーカー向けが60%、エンドユーザー向けが40%。

 同社のチルドロールは高硬度・高精度に仕上げられており、長期間高性能を維持するためには修理やメンテナンスなどが必要不可欠となっている。このため同社では、ロールへの溝付や目立て直しといったメンテナンスにも注力しており、万全なアフターサービス体制を構築している。これにより、顧客から高い信頼を得ており、メンテナンス需要は年々増加傾向にある。

 ゴム・樹脂用途向けとしては、ミキシングロール、カレンダーロール、クラッカーロール、チルドラムなどを製造している。特にミキシングロールとクラッカーロールが強みで、品質などが顧客から高評価を得ている。

 同社が重視しているのが、熟練した技術者・職人によるモノ作り。チルドロールは、金属の圧延からペンキ、インキ、ゴム、ビニールの混練紙の艶出し、食品の粉砕や圧搾、鉱石の粉砕などに使用される工作機械の心臓部ともいえるパーツで、様々な用途に合わせて銑鉄鋳物として特殊な硬度や特性が必要不可欠となっている。これにより、オートメーションによる製造が難しい工業製品となっている。同社では、常時創意工夫を重ね、技術力向上に注力し、職人による手作りにこだわっている。旋盤作業1つにしても、コンピュータ制御のNC旋盤は使わず、汎用旋盤による手作業を実施している。これは高品質製品を作るには、経験と技術・感性に裏打ちされた、精密加工にこだわる『職人技』が必要という企業姿勢によるもので、これが国内シェア50%占める実績に繋がっている。

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