【新年インタビュー】福山ゴム工業中島秀司郎社長
主力のゴムクローラ、性能高度化に期待
工業用品 2017-01-17
「16年は為替が円高に振れた時期があったことで、100%輸入の履物事業と工業用品事業も一部加工製品、原材料の輸入があるので、その分だけ利益面での改善になった。既に、再び円安に振れているので心配になるが、製造企業の経営が為替の動きで右往左往させられ続けるのは大変厳しい」と中島秀司郎社長。
■16年の状況
16年の売上高は計画を若干下回る見通しですが、利益は改善できそうです。履物事業は全般的な価格是正の効果と円高の期間があったことで、売り上げは計画通りで利益も改善しました。工業用品事業は市場が厳しいのですが、原材料や加工品の輸入などでわずかですが仕入れ価格が下がりました。そのなかで、韓国との取引では、韓国の国内景気が良くなかったこともありコストダウンがはかれました。中国も同様でこれまでのような無茶な動きがなかったことが幸いしました。
■工業用品事業
16年は、主力のゴムクローラの需要先である建機の輸出が中国、アメリカ市場ともにダウンしたため、当社の売り上げも減少しました。初期装着のゴムクローラはほとんどが入札ですのでかなり先の需要まで決まってしまいます。問題はアフター需要で、品質よりも安価な製品に流れてしまうため、中国製品に代替されることが多くなっています。さらに、元安で中国製品の競争力が増している状態です。
今後に期待することは、建機メーカーが価格以上に性能などの技術的に高度な要望に応えるようになってくれること、例えば騒音低減、燃費の良さ、乗り心地など環境や安全性などを評価するようになってほしいと期待しています。クローラ以外では、小ロットで多様な製品がほとんどなので、国内工場での生産性の改善、不良率の低減をはかるとともに、確実な原価計算によるコストの見直しで、収益改善と競争力の強化をはかる体制づくりを進めています。
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