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2021年3月期第1四半期業績

信越ポリマー、シリコーンゴム成形品は前年同期比並み

工業用品 2020-07-30

 信越ポリマーが7月27日に発表した2021年3月期第1四半期(4~6月)業績は、売上高が183億3,200万円で前年同期比5.7%減、営業利益が13億5,900万円で同25.3%減、経常利益が15億8,100万円で同12.9%減、純利益が12億5,100万円で同2.9%減となった。

 セグメント別にみると、電子デバイス事業は売上高が44億1,700万円で同9.8%減、営業利益が1億300万円で同72.5%減。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による自動車業界の需要低迷などにより、自動車関連入力デバイスを中心に出荷が低調に推移し、全体として売り上げは前年同期を下回った。入力デバイスは、自動車向けキースイッチの出荷が振るわず、薄型ノートパソコン用タッチパッドの出荷も伸び悩み、売上げは低調に推移した。ディスプレイ関連デバイスは、液晶接続用コネクターが引き続き低調に推移し、光学用途向け視野角制御フィルム(VCF)の出荷も振るわず、大幅に落ち込んだ。コンポーネント関連製品は、電子部品検査用コネクターの出荷が順調に推移し、売り上げは大幅に伸長した。

 精密成形品事業は売上高が83億2,800万円で同4.4%増、営業利益が11億5,200万円で同3.6%減。半導体関連容器やキャリアテープ関連製品の堅調な出荷が続き、全体として売り上げは前年同期を上回った。半導体関連容器は、半導体業界の底堅い需要を背景に300㎜ウエハー用出荷容器の出荷が堅調に推移し、売り上げを伸ばした。OA機器用部品は、主力のレーザープリンター用現像ローラの需要が伸びず、売り上げは減少した。キャリアテープ関連製品は、スマートフォン用や5G通信基地局用の電子部品需要が徐々に回復し、売り上げは順調に伸びた。シリコーンゴム成形品は、主力のメディカル関連製品が堅調に推移したものの、全体として売り上げは前年同期並みとなった。

 住環境・生活資材事業は売上高が41億2,600万円で同13.4%減、営業利益が3,200万円で同79.8%減。塩ビ関連製品の市場環境が非常に厳しい中、価格改定や生産効率化に努め、新規事業製品の拡販を推し進めたが、食品包装資材や建設資材、自動車関連の素材系製品が需要低迷の影響を受けて、全体として売り上げは前年同期を下回った。ラッピングフィルムなど包装資材関連製品は、スーパー向けが堅調だった半面、外食産業向けが落ち込み、全体的に出荷が振るわず、売り上げは低調だった。塩ビパイプ関連製品は、市場競争が激しい中、出荷量が確保できず、売り上げは前年同期を下回った。機能性コンパウンドは、ロボットケーブル用の出荷低調が続き、自動車用の需要も減速したため、売り上げは振るわなかった。外装材関連製品は、価格改定、新規取引先への拡販などにより好調を維持し、売り上げは堅調に推移した。新規事業製品のうち、導電性ポリマーは、スマートフォン部品用途が安定的な出荷ながら、自動車用電子部品用途の受注が戻らず、売り上げは低調だった。

 その他は売上高が14億6,000万円で同18.7%減、営業利益が7,000万円で同18.3%減。工事関連では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による需要低迷の影響により、首都圏を中心に商業施設の新築・改装物件、公共施設の内装物件の受注が減少し、全体として売り上げは前年同期を下回った。

 2021年3月期通期業績予想については、新型コロナウイルス感染症拡大による業績への影響を合理的に算定することが困難であることから未定としている。

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