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健康や医療分野での活躍に期待

住友理工、就寝中に生体情報を取得する「体動センサ」

工業用品 2020-04-15

 住友理工が開発した体動センサが好評を得ている。同製品は、眠りを妨げることなく体動や呼吸、心拍といった生体情報をリアルタイムで計測できる。寝ている間の生体情報を得たいというニーズは高く、研究・開発向け限定のモニター販売かつホームページのみの公開にも関わらず、発売開始から約1年で150台ほどを売り上げた(3月19日現在)。

体動センサ(上)と開発中の布型の体動センサ(下)。PCのモニターには呼吸や心拍のデータが表示される


 

圧電式のゴムセンサを実用化―モニター販売で約150台を販売、高評価

 体動センサには、同社独自開発の柔軟導電ゴム材料「スマートラバー(SR)」を応用し開発した、圧電式のSRセンサが搭載されている。「圧電式のゴムセンサを実用化したのは住友理工が世界初と自負している」(近藤光由・新商品開発センター先行基盤技術部長)という。

近藤光由新商品開発センター先行基盤技術部長


 薄型で柔軟、伸縮性があるうえ、ベッドのマットレスの下に敷いても生体情報を精度良く計測できる。「例えば、わざと息を止めると、呼吸データは止まるが、心拍は動くデータになるなどセンサの感度は高い。医療機器として安全に精密なデータが取れると好評を得ている。取得したデータはCSVファイルで保存され、見返すことも可能だ。遠隔でのモニタリングにも適している」(同)。

 現在、①大学や病院などの研究者②メーカー③施術中の生体情報を計測したい人④新しいウェアラブル機器を開発したい人――が主なユーザーだが、今後は一般ユーザーへの販売も視野に入れる。「就寝中に生体情報を取りたいというニーズは年々高まっている。今後は、健康や医療分野での拡販に注力するが、中でも睡眠分野に注目している。生体情報の計測は、自律神経の計測にも繋がっており、その計測によって睡眠の深さも分かる。また、自律神経はストレスなどと関連が深く、いずれは生体情報を得ることで、ストレスや感情の可視化もできるようになるのではないかと予想している。

 加えて、病気の予兆にセンサを活用したいというニーズも高く、二次予防(病気再発の予兆)の研究、製品化にも体動センサが寄与している。

 現段階では、メーカーへのセンサの提供が中心となっているが、2020年度中に当社での製品化を目指している」(同)。

 他にも、センサ部分に布を張り付けた、布型の体動センサの開発も進めている。「見た目も肌触りも一般的な布で、将来的にはあらゆる繊維製品にセンサを組み込むことが可能になると考えている。例えばソファを丸ごとセンサにするなど、様々なものに応用できるはず。布型の体動センサは、2020~2021年の上市が目標だ」(同)。

 健康を支える重要な製品となり得る体動センサ。しかし、今後は睡眠や医療といったヘルスケア分野だけでなく、多くの分野での可能性を秘めている。

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