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【Challenge!ゴム企業の挑戦】

カンケンフローシステム、豊富な在庫とスピード感が強み

会員限定 工業用品 2020-03-03

 「豊富な在庫とスピード感ある対応が当社の強みだ」と語るカンケンフローシステムの飯野勝久社長。

飯野勝久社長


 同社は大阪府寝屋川市にある高圧ホースの製作販売会社。創業者である飯野知寛会長(勝久氏の父)が、1971年に建設機械部品会社を大阪府守口市に設立したのが始まり。その後、建設機械の油圧シリンダー化を契機に油圧ホースの需要が高まったため、「油圧ホースの自社製作を開始し、ホース会社へと転進した」(同)という。

 1975年には櫻護謨の代理店・認定工場となり、1989年には東海ゴム工業(現・住友理工)の代理店に、2000年には認定工場となった。1993年にはカンケンフローシステムに社名を変更した。「カンケン」は旧社名である「関西建設」の略称。「フローシステム」は流動系や流動システムを意味する。

本社・工場


 高圧・油圧ホースのアッセンブリーとホース、金具類の販売を行い、売上高の4~5割が卸販売で、3割が高圧ホースアッセンブリー、1~2割が機械類ほか。建設機械向けが主力で、その他一般産業機器や工場設備に製品を供給している。

 自動倉庫を備え、豊富な在庫と在庫管理の徹底が同社の強みだ。受注に対して、スピーディーな見積もりと納品、サービスカーによる迅速な補修を行う。スピードを生かした対応でユーザーニーズに応え、販売拡大をはかっている。

 近年、力を入れているのが加締機や切断機など設備機器の販売。現在、切断機の自社開発にも取り組んでおり、年内完成を目指す。従来の切断機に比べ安全性を格段に向上させ、ホースにとって重要な切断面もきれいに仕上げることができるという。

 「従来の切断機は乾式が多いが、発熱や火花でゴムの削りかすが発火する場合があった。当社の切断機は切削油を使用する湿式のため発火の恐れがない。また回転歯の部分にカバーを取り付け、安全装置も備えているので安全性にも優れる。今後の拡販に期待している」(同)

 加締機や切断機などの設備機械を販売することで、ホース販売の拡大にもつなげていく考えだ。

 機械類の開発を主導しているのが飯野知寛会長だ。

 「会長はモノづくりが好きで情熱を持っている。当社工場で使用している機械類も会長が発案・製作・改良したものがほとんど。作業場にあるホースの収納回転棚も会長の発案だ。当社の自社開発へのこだわりも会長から受け継がれている」(同)

 また情報発信を強化するため、昨年3月にホームページを大幅にリニューアルした。製品情報や事業内容、設備案内、サービス体制などをビジュアルに分かりやすく紹介している。ビジネスツールとして活用するとともに、企業のイメージアップやリクルート面での活用も考えている。

将来見据え新規事業開拓に取り組む

 飯野社長に、将来の展望について聞いた。

 「油圧ホースの需要は将来、縮小する傾向にある。そこで新規事業分野を模索している。そのひとつがゴルフのパター測定器だ。以前から懇意にしていたゴルフのレッスンプロと共同で開発した。まだ製品化には至っていないが、楽しみな製品だ。将来を見据え、今後もこうした新規事業開拓に力を入れていく」

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