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【特集】自動車部品

三ツ星ベルト、自動車の発電機用プーリがトヨタに採用

工業用品 2016-12-06

トヨタ車に低フリクションロスベルトとセットで搭載された(写真中央部)

トヨタ車に低フリクションロスベルトとセットで搭載された(写真中央部)


 三ツ星ベルトの上期(4―9月)自動車用ベルト売上高は141億2200万円で前年同期比3.5%減少した。国内は補修用ベルトの販売は前年同期並みに推移したが、組み込みライン用が、ハイブリッド車(HV車)などのベルト非装着車種の増加による影響を受けて微減し、全体では前年同期並みとなった。「乗用車用ベルトについてはHV車の影響受け減少傾向にあるが、トラック向けは堅調に推移している」(同社)という。

 海外については、欧州は販売が好調。米国は組み付けライン向けは増加したが、補修向けは低調。中国は日系自動車メーカーが好調なため、組み付けライン向けが伸長。インドネシアやタイなどの東南アジアは自動車市場が低調で組み付けライン向けは販売が伸び悩んだが、補修市場での販売に力を入れた。

 自動車用ベルトの下期売上高はほぼ上期並みに推移する見通しで、通期では前年並みと予想している。

 自動車用部品の売上高は、国内市場が縮小する中で、海外売上高が年々高まっている。そのため、同社では海外生産拠点の拡充を図っている。その一環として昨年7月に、中国・蘇州工場の増強(第2期工事)に着手、今年4月に完工した。

 国内市場で拡大するHV車への対応としては「エンジン回りにこだわることなく、自動車全体を対象に製品開発をしていく方針」。またベルトだけでなく、樹脂部品の開発にも力を入れていく。

 自動車部品分野で今後、力を入れていく製品が「オルタダンパプーリSmastar(スマスター)」。バネ式減衰機構を採用した自動車向け発電機(オルタネータ)用プーリで、内蔵したコイルバネにより、エンジンの回転変動を吸収することができる。これにより、ベルトからの発音の抑制やベルト寿命の向上、さらに燃費向上にも貢献する。

 すでに6月からトヨタ自動車に納入を開始、採用に当たっては、同社の自動車用補機駆動用ベルト「低フリクションロスベルト」とセットで搭載されている。

 同社によると、「『スマスター』と『低フリクションロスベルト』をセットで使用することで相乗効果が得られる」という。今後は搭載車種の拡大や他の自動車メーカーへの展開にも取り組んでいく。

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