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世界トップクラス

豊田合成、「縦型GaNパワー半導体」で大電流化を実現

工業用品 2019-05-31

 豊田合成は5月23日、青色LEDの材料である「窒化ガリウム」(GaN)の結晶化技術を用いて開発中の「縦型GaNパワー半導体」で、世界最高水準となる1チップで100アンペアの大電流動作を実現したと発表した。

 パワー半導体は電力を変換する電子部品で、車や家電、産業機器などで幅広く使われている。現在、電動車の普及や再生可能エネルギーの利用拡大に伴って高性能化が求められているが、従来の材料であるシリコン(Si)では大電力の効率的な変換が限界に近づいていることが課題となっていた。

 そこで同社は材料として耐圧性に優れる「GaN」を使用することに加え、電気を基板に対して垂直に流す「縦型構造」を採用し、薄型・小型化などを図ることで性能を高めてきた。今回、新たにGaN結晶内に「電流分散層」を導入することで、電流を耐圧維持層に広げて抵抗値を下げ、電流容量を従来の50アンペアから100アンペアに高めることに成功した。

 同技術は、5月に中国・上海で開かれたパワー半導体の世界最大の国際会議で発表した。同社では高性能なパワー半導体の早期実用化を目指して、半導体・電機メーカーなどとも協業し、性能や信頼性の向上などを進めていく方針。

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