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沈埋トンネル部分にゴムガスケットが採用

住友ゴム工業、イスタンブール市民の足に同社の技術が生きる

工業用品 2018-10-16

ゴムガスケットの施工の様子

 
 トルコ・イスタンブールの交通に、住友ゴム工業の技術が生かされている。

 1,500万人を超える人口を抱え、人の往来も盛んな同地は、海峡、海によってアジアとヨーロッパに分かれている。そのうちの一つ、ボスポラス海峡にあるトンネルの沈埋トンネル部分に、採用されているのが同社のゴムガスケット(止水ゴム)だ。

 沈埋トンネルは、鉄筋コンクリートの箱を連続して海底に設置したトンネル。海底下の浅い箇所に設置できるためトンネルの延長を短くできる、大きな支持力を必要としないため軟弱地盤にも対応できる、ドッグ等で製作するため水密性が高く高品質なトンネルを築造できるといった特徴を持つ。

 ボスポラス海峡トンネルは、大成建設が工事を請け負い、2004年8月に着工、11年2月に貫通し、13年10月には鉄道が開通した。トンネルの総延長は1万3,558メートル、そのうち沈埋トンネル部分は1,387メートル。沈埋トンネル部分は最大長さ135メートル、高さ8.6メートル、幅15.3メートルの巨大な沈埋函11函で構築され、それら全ての継ぎ目部分に全周約50メートルのゴムガスケットが使用されている。住友ゴム工業は、大成建設からゴムガスケット計10カ所を受注、現地で取り付け工事の施工指導を行った。

 トンネル開通まで、海峡を渡る手段は道路橋とフェリーなどの船舶しかなく、交通渋滞と環境への影響が問題となっていた。鉄道開通後はイスタンブール市民にとって欠かせない足となり、それまで30分近くかかっていた海峡の移動が、4分へと大幅に短縮された。

 なお、住友ゴム工業は同ゴムガスケットに加え、同国に防舷材を累計3,000基以上納品するなど、同国のインフラ整備に貢献している。

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