【特集】ゴム・樹脂ホース
クラレプラスチックス、土木・空調用牽引し増収増益
工業用品 2018-03-23

ネオ・ホーマーCF
クラレプラスチックスのホース事業では、フレキシブルで用途範囲が広いループホースをはじめ、ゴム・樹脂と強化繊維を組み合わせた複合ホース、道路や橋梁部の排水を促す導水管などを主力製品として展開している。
17年度(12月期)のホース事業の業績は、売上高が前年度比数%増、営業利益が同10%程度増と増収増益を達成。「樹脂系のループホースを中心に需要が堅調だったことに加え、複合ホースなどの高付加価値品の販売が増加したことで、売り上げ以上に利益が伸長した」(同社ゴム・化成品事業部)。
業績を牽引したのは、土木用と空調用ホース。土木用では「東日本を中心にスポット需要が出ている」(同)ことを受けて、脱塩ビ素材の環境対応複合ホース「ネオ・ホーマーCF」の販売が好調だった。同等の塩ビホースに比べ約20%の軽量化を実現するとともに耐圧(1.2MPa)・耐摩耗性を備えていることが特長で、作業の負担軽減につながることで需要が伸びている。
空調用では住宅用のダクトホースが堅調だった。「最近は住宅の断熱・気密性が高まっており、それに伴い空調設備の重要性も増している。これを背景にダクトホースの需要も増加傾向にあり、特に東北や北関東などの寒冷地を中心に需要が高まっている」(同)という。そのほか、工業用では半導体装置関連の需要も好調で業績に貢献した。
18年度も引き続きこれらの好調分野に注力し、前年度比数%の増収増益を目指す。特に土木、空調用は「需要は旺盛ながら売上高全体に占める割合は大きくはない。今期スタートの中期経営計画でも事業部としての重点分野に位置付けており、今後はこの割合を増やしていく」(同)方針。
製品面では前述の製品に加え、導水管の「クラドリップ」や「クラドレン」も併せて拡販し、土木需要の取り込みを図る。製造面では、ダクト用ホースの生産がタイトになっており「18年度中にはラインの増設を含め対応していく」(同)考えだ。
なお、喫緊の課題とされる物流費の高騰については「ホースは物流効率が悪く、伊吹工場(岐阜県不破郡垂井町)から全国の現場に配送しており非常に厳しい状況だ。人手不足など構造的な問題なので、ユーザー負担についてのさらなる交渉が必要」(同)としている。
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