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【特集】ゴムシート(ゴム板)

十川ゴム、フッ素ゴムシートなど伸長

工業用品 2017-12-13

 十川ゴムのゴムシート事業の17年度上期(4-9月)業績は前年同期比数%の増収となった。汎用ゴムシートは前年同期並みだったが、フッ素ゴムシートや特殊用途・材質シートの販売が伸長し業績に寄与した。

 通期に向けては半導体関連産業向けシートなどに期待している。また製品競争力を持つ特殊品の情報収集と新規開発にもさらに注力していく方針だ。

 現在開発済みの製品としては、従来のゴム素材に加え、溶着や接着が可能な塩ビ素材の「放射線遮蔽シート」や火災などの熱により膨張し、固化することで火災の延焼防止用として活用されている「熱膨張シート」。そのほか、「放熱シート」や「低発煙難燃シート」、「低硬度のシリコーンシート、フッ素ゴムシート」などをラインアップしている。

 なかでも放熱シートは、独自の配合技術により熱伝導率を飛躍的に高めており、両立が困難だった高熱伝導と電気絶縁性を兼ね備えた製品。それにより、目的に応じた形状設計が可能となっている。ベースとしてシリコーンゴムを主原料としているが、シロキサンの残存量が少ないため精密機器などにも使用が可能。最近の電子機器などの小型化・省スペース化に伴い、コンデンサなどの基盤冷却用途として注目されている。

 また環境対応についての取り組みも進めている。ゴムシートカタログに掲載している全製品については、既に改正RoHS指令(RoHS2)・REACH規制対応製品として製造。RoHS2は分析データによるエビデンスも順次準備を進めており、ホームページからのダウンロードサービスも実施している。

 なお同社では、「ゴムシートは製品価格に占める原材料価格のウェイトが大きく、現在は高値ベースの原材料で製造しており、原価的には非常に厳しいものがある」としており、今後の動向に応じて価格改定を検討している。

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