【特集】ゴムシート
クレハエラストマー、利益体質への転換進む
工業用品 2017-11-28
クレハエラストマーでは、16年度からシート事業部の黒字転換を目的とした事業改革に取り組んでいる。現在は「赤字製品からの撤退による品種統合や、ユーザーとの値上げ交渉をわずかの製品を除き完了している」(同社)状況。その結果、17年度上期(4-9月)業績は「売り上げ面では目標計画を上回り、利益面では黒字転換は未達成ながらも赤字幅は減少。道半ばではあるが、利益体質への転換は着実に進んでいる」(同)としている。
上期におけるゴムシート需要は総じて堅調だった。製品面では主に機械類に使用される厚板や自動車・電気機器に使用される薄板とも需要は旺盛。なかでも、シリコーンゴムやフッ素ゴムシートの需要が増えていることから、化学プラントや半導体業界など、幅広い業界で動きが活発化しているとみている。この動きは8月以降に特に大きくなっており、地域別では関東・関西・九州の3地域で売り上げが伸長、唯一横ばいだった中部も自動車関連を中心に堅調を維持しており、業績の改善に貢献した。
下期以降については、事業改革で未達となっている価格交渉を進めるともに、生産現場における効率改善を実施することで利益体質をさらに改善していく。同時に「これまでの施策でムダを削ぎ落とし、ある程度筋肉体質になったので、下期以降はより売り上げを伸ばす営業にシフトしていく」(同)方針だ。
製品面では、特殊品の3m幅の超広幅ゴムシート「スーパーワイド」を拡販する。新たに開発した広幅の高引裂シリコーン板などを活用し、クッション用など新たな用途として提案していく。また、上期に需要が増加したシリコーンゴム、フッ素ゴムシートについても、耐熱・耐薬品分野に向けて販売を強化するため、来期以降での新製品の投入を検討していく。
なお今上期では、これまで開発を進めていたいくつかのアイテムが、新規ユーザーに正式採用されるなど極薄ゴムシートの販売が好調だった。同社では「産業資材や電気機器部品用途など、絶縁性や放熱性を付与した高機能シートにはまだまだ用途の広がりがある」とみて、下期以降は高機能製品のマーケティング活動などを強化していく考えだ。
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