【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、4か月ぶり安値も決め手難
連載 2017-11-06

マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努
TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、1キロ=191.10円まで値位置を切り下げ、6月26日以来の安値を更新した。上海ゴム相場の上値の重さが嫌気されている。ただ本格的に値崩れを起こすには至らず、その後は改めて200円水準まで切り返すなど、決め手を欠いている。
引き続き上海ゴム相場の動向が注目されているが、1トン=1万3,000元台でのボックス相場が続いている。10月末にかけては1万3,000元台前半までコアレンジ切り下げを打診する動きもみられたが、結果的には9月29日安値1万2,905元を下抜くには至らず、1カ月にわたってボックス相場が維持されている。
中国では10月24日に共産党大会を終えたが、中国コモディティ市場全体の値動きが定まっていない。鉄鉱石や石炭相場は若干下値を切り下げているものの、安値では早めにショートカバー(買い戻し)を入れる動きが目立つ。
中国の主要都市が大気汚染対策で工場の操業規制やサプライチェーンの分断など、かなり強引に「青い空」を取り戻すための対策を講じていることは、コモディティ市場全体にネガティブである。また、10月の製造業PMIが前月の52.4から51.6まで低下していることも、中国コモディティ相場全体のダウントレンドを支持している。ただ、上海ゴム相場は膠着状態を維持しており、1万3,000元台のボックスを上下どちらの方向にブレイクするかのみが注目されている。
一方、主産地タイではプミポン前国王の葬儀が10月25-29日の日程で行われ、中央ゴム市場の集荷量は大きく落ち込んだ。ただ現物市場への目立った反応は見られなかった。産地相場も上海ゴム相場と連動しており、特に産地主導の価格形成を打診するような動きは確認できていない。東南アジアの気象環境は総じて安定しており、天候プレミアム加算の必要性も高まっていない。
こうした中、タイ南部のゴム農家がゴム価格低迷に対する抗議デモを検討中との報道が行われている。具体的な日程などは決まっていない模様だが、現行価格水準では経営が維持できないとして、農業省に対して抗議デモを行うことが検討されている模様だ。
直ちにゴム相場が急伸する必要性は乏しいが、過去の市況対策導入の動きはいずれも農家の抗議デモが起点になっているだけに、産地情勢には注意が必要な時間帯になる。
主要生産国は9月の会合において、昨年に導入して一定の実績がある輸出規制導入の可能性を示唆しており、仮にタイを筆頭とした生産国が市況対策の検討を本格化すると、ゴム相場の短期底入れシナリオも浮上することになる。
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