耐オゾン性向上の橋梁用ゴム支承
住友ゴム工業がデンカ等と共同開発
工業用品 2016-09-02
住友ゴム工業は8月31日、中日本高速技術マーケティング、デンカと共同で、橋梁用高耐オゾン性ゴム支承(UDRB)を開発したと発表した。同製品は、従来の天然ゴム系配合物と比べ約5000倍以上の耐オゾン性を有するクロロプレンゴム系配合物を用いることで、高い耐オゾン性を実現させたことが特長。
このゴム支承は、豊富な知見を持つ川金コアテックと共同で製品化に取り組み、今後はUDRBシリーズとして住友ゴムおよび川金コアテックが窓口となって販売する。住友ゴムは制震ダンパーを手がけているが、橋梁用ゴム支承を本格的に手がけるのは今回が初めて。
住友ゴムによると近年、橋梁の大規模化に伴いゴム支承も大型化する中で、外気に曝されるゴムの表面積も大きくなり、より厳しいオゾン環境下での使用が増えている。また大規模地震発生時には、オゾン劣化による表面亀裂などを起点としてゴム支承の破断に発展することも懸念され、優れた耐候性と安全性を備え持つゴム支承への期待が高まっている。
橋梁用高耐オゾン性ゴム支承は、中日本高速技術マーケティングの基本構想に基づき、材料開発をクロロプレンゴムの世界トップシェアを持つデンカと住友ゴムが共同で行った。さらに住友ゴムが有するゴム製品の開発・製造の技術ノウハウを用いることで製品化した。
3社が100年の耐オゾン性を目指して開発した同製品は、高濃度・高伸長下での静的オゾン劣化試験で、従来の天然ゴム系材料に比べ約5000倍以上の耐オゾン性を有するクロロプレンゴム系材料を主原料として被覆ゴムに用いることで、長期間にわたって表面にクラックが発生することなく、反力分散型支承としての機能を維持することができる。
住友ゴムでは、耐震性能をさらに向上させる超高減衰ゴム支承についても共同開発を進めており、2016年末までに販売開始する予定。
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