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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、円高一服で底固さみせる

連載 2025-12-15

マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
 OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=344.40円をピークに321.10円まで急反落した後、330円水準まで再び切り返す不安定な地合になった。上海ゴム相場がほぼ一貫して横ばいの展開が続く中、ドル/円相場の動向に強く依存する展開が続いている。12月入りしてからは円相場の反発を手掛かりに戻り売り優勢の展開になっていたが、円高が一服すると、押し目買いが入った。

 上海ゴム先物相場は、1トン=1万5,000元台前半で売買が交錯する展開が続いている。東南アジアの豪雨・洪水被害発生でも値上がりが見送られ、上値の重さが再確認されている。多少の供給障害が発生しても、深刻な需給ひっ迫は回避できるとの楽観ムードがうかがえる。減産期への移行も意識されるが、季節要因で買いを入れるような動きも見送られている。時間の経過とともに供給量の落ち込みが想定される一方、需要家の在庫手当ても強化されやすいが、上海ゴム相場は膠着状態から抜け出せていない。

 12月9~10日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、フェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標が0.25%引き下げられ、3.50~3.75%とされた。3会合連続の利下げ、さらに米金融当局者が2026年に0.25%の追加利下げを想定していることはポジティブ。ただし、米利下げによる景気刺激効果への期待感から資源価格全体を大きく押し上げていくような動きまではみられず、上海ゴム相場に対する影響は限定的だった。

 世界銀行は12月11日、2025年の中国経済の成長率予想を従来から0.4%引き上げて4.9%とした。積極的な財政政策による堅調な輸出の影響が指摘されている。ただし、2026年は4.4%まで減速する見通しが示されたこともあり、ゴム相場は目立った反応をみせなかった。

 原油相場は上値の重さを再確認している。ロシアやベネズエラ産原油に供給不安を抱えているが、需給緩和見通しの上値圧迫が続いている。上海先物市場では、ブタジエンゴム相場が今年最安値圏で低迷しており、原油相場主導の上昇は見込まれない。

 こうした中、OSEゴム相場の短期動向は、ドル/円相場の動向に強く依存している。しかし、そのドル/円相場も1ドル154.32円で下げ一服となったが、157円水準では上値を抑えられ、値動きが不安定化している。12月18~19日に今年最後の日本銀行金融政策決定会合が開催されるため、そこでドル/円相場が新たなトレンド形成を打診する動きがみられるのかが焦点になっている。

 OSEゴム先物相場は、緩やかな順サヤ(期近安・期先高)が形成されている。当限は320円水準で膠着気味の展開になった。

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