【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、需要不安あるもほぼ横ばい
連載 2025-08-25
マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=310~325円のレンジで売買が交錯する展開になった。積極的な売買のテーマが見当たらず、8月中旬は持高調整が中心で小動きに終始した。日経平均株価は過去最高値を更新したが、ゴム相場への影響は限定的だった。ドル/円相場の値動きは鈍く、為替主導の売買は見送られた。

上海ゴム先物相場は1トン=1万5,000元台中盤から1万6,000元水準まで値上がりしたが、同水準で上げ一服となり、1万5,000元台中盤から後半で方向性を欠いた。
中国経済の減速懸念が強まる中、鉄鉱石や石炭、原油相場などコモディティ市場は全体的に上値の重さが目立つ展開になっている。米中通商環境の改善期待はポジティブだが、8月15日に発表された中国の7月経済指標は、小売売上高が前年同月比3.7%増(前月は前年同月比4.8%増)、鉱工業生産が同5.7%増(同6.8%)となっており、深刻な景気減速圧力がすでに表れていることが示されている。このため需要不安がゴム相場の上値も圧迫している。
一方、中国の7月新車販売台数は前年同月比14.7%増の259万3,000台に達するなど、自動車市場は底固さを維持している。中国政府が景気対策で買い替え促進策を導入していることもあり、新車に対する消費者のニーズは底固さを維持している。このため、少なくとも新車用タイヤ需要には、底固さが認められる。
ただし、このまま景気減速が進むのであれば、新車市場の減速を回避することは難しいとみられ、ゴム相場は上値の重さを維持しながらも、大きく値を崩すことは回避される方向性が定まらない地合になった。
マクロ経済環境と新車販売環境との間にかい離がみられることが、他のコモディティ相場と比較してゴム相場に相対的な底固さをもたらしたが、逆に大きく買い進むような勢いもみられなかった。
供給サイドでは、引き続き中国南部から東南アジアで豪雨の報告が続いている。著しい高温というわけではないが、モンスーンの活動が活発化しており、農産物生産にリスクを及ぼしている。ただし、ゴム供給は大きく減少しているわけではなく、ゴム相場は供給リスクのプレミアム加算を見送る状態が続いている。
世界的な株高傾向が強まり、日経平均株価や米国株価指数は過去最高値を更新している。ただし、これは米国で利下げが近づいているとの見方が強く影響しており、実体経済の動向とはかい離した動きと評価されることが一般的であり、リスクオン環境ながらもゴム相場を含むコモディティ相場を大きく押し上げるような動きはみられなかった。
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