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2021年12月期第2四半期

TOYO TIRE、上期は2019年以上に回復

タイヤ 2021-08-10

説明する清水社長


 TOYO TIREの2021年12月期第2四半期(1~6月)業績は売上高が1,863億9,200万円で前年同期比23.8%増、営業利益が269億5,800万円で同240.0%増、経常利益が292億1,900万円で同567.2%増、純利益が206億7,300万円(前年同期は5億2,000万円の利益)だった。経常利益と純利益は上期として過去最高。「北米市場においてタイヤ需要が好調だったこと、為替の円安推移、経費削減効果等により、前年同期実績だけでなく前回予想を上回る業績となった。上期業績は、新型コロナウイルス以前の2019年以上に良くなっている」(清水隆史社長)。

 営業利益段階の増減要因は、増益要因が販売要因で157億円、製造コストで69億円、自動車部品事業で9億円、為替で7億円、減益要因が原材料で39億円、販管費で12億円、差し引き190億円の増益となった。

 タイヤ事業は売上高が1,664億8,800万円で同23.8%増、営業利益が278億8,800万円で同186.5%増。北米の市販用タイヤは、強みとしている大口径ライトトラック用タイヤやSUV 用タイヤを中心に販売が好調で、販売量は前年同期を大きく上回った。また、売上高は値上げによる相乗効果もあり、販売量以上に伸びた。欧州の市販用タイヤは、採算性を意識した供給戦略をとった結果、販売量は前年同期並みながら増収。国内の市販用タイヤは、強みとしているSUV 用タイヤの販売に注力したことで、販売量、売上高ともに前年同期を上回った。新車用タイヤについては、国内・北米を中心に新車販売の回復を受け、販売量、売上高ともに前年同期を大きく上回った。

 自動車部品事業は受注車種の販売が好調で、売上高が198億8,400万円で同23.3%増、営業損失が9億3,800万円(同18億500万円の損失)だった。

 所在地別では、日本は売上高が474億5,200万円で同11.1%増、営業利益が157億4,500万円で同542.9%増。北米は売上高が1,090億3,500万円で同33.8%増、営業利益が81億400万円で同95.6%増。その他は売上高が299億300万円で同13.4%増、営業利益が27億1,000万円で同237.5%増だった。 
 

通期業績予想を上方修正

 同社は2021年12月期通期業績予想を上方修正した。上期業績等を踏まえた。「当社の新車向け比率はあまり高くなく、半導体不足による自動車減産の影響はそれほどない。市販用タイヤについては、他社の新車用タイヤの販売が半導体不足の影響で落ちてくると、そのタイヤが市販用市場に流れるため、一部の地域で値崩れが起きてくるとみている。

 一方、下期は原材料の高騰が非常に影響する。高騰部分を値上げで取り戻していくことになる。米国のように需要が旺盛でバックオーダーを抱えている地域であれば値上げは可能だが、全ての原材料を全ての地域で回収できるかというと、そこは下期の苦しい部分だ。船舶の逼迫や米国の人手不足も厳しいとみている」(同)。

 ■2021年12月期通期業績予想
 ◇売上高=3,920億円(前回予想3,720億円、増減率5.4%増)◇営業利益=480億円(同440億円、同9.1%増)◇経常利益=496億円(同464億円、同6.9%増)◇純利益=328億円(同289億円、同13.5%増)

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