世界経済の減速がゴム業界を直撃
ベルト3社の業績、中国景気減速などで業績悪化
工業用品 2019-11-18
バンドー化学、三ツ星ベルト、ニッタのベルト3社の2020年3月期第2四半期決算が出揃った。国内・海外の景気減速の影響を受けて、3社とも前年同期に比べ業績が悪化した。海外は米中貿易摩擦による中国経済の減速、国内は内需は堅調なものの、外需の不振により業績が伸び悩んだ。下期についても見通しは厳しく、3社とも減収減益の予想だ。
3社の業績状況を見ると、バンドー化学は、自動車部品事業が減収減益。国内はベルト製品は増加したが、システム製品の不振が足を引っ張った。海外は中国での補修品販売は伸びたが、米国・アジア地域で販売が減少した。産業資材事業は減収増益。国内、米国で産業機械用伝動ベルトの販売が減少、中国・アジアでは農業機械用伝動ベルトの販売が減少した。一方、運搬ベルトは主力の鉄鋼向けが好調、樹脂ベルトは物流向けが好調で増加した。
バンドー化学は、下期は上期よりも業績状況が好転する見込みで、通期業績予想では、上期よりも売上高・利益の減少率が小幅になると見込んでいる。
三ツ星ベルトは、売上高は増加したが利益が減少。国内ベルト事業は自動車用ベルトが増収したものの、一般産業用ベルトの販売低迷で減収減益に。搬送ベルトは、樹脂ベルトは横ばいだったが、ゴムコンベヤベルトの受注増により増加した。海外ベルト事業は、売上高は横ばいだが営業利益が減少。自動車用ベルトは増加したが、農機用やOA機器用ベルトが減少した。
ニッタは米中貿易摩擦による中国経済の減速が響いた。中国で事業展開しているベルト、ホース・チューブ、メカトロ製品がすべて影響を受けるなど、中国を中心とした海外の不振が業績の足を引っ張った。内需に関しては、物流関連が好調で、搬送ベルト、カーブコンベヤなどが伸びた。自動車関連部品も堅調だった。
通期業績については、半導体や工作機械など主要需要業界の減速を勘案し業績予想を下方修正した。
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