2025年に全タイヤ工場への導入目指す
住友ゴム工業、AI・IoT活用したタイヤ生産システムを構築へ
タイヤ 2019-10-07
住友ゴム工業は、AI・IoTプラットフォームを活用した高品質・高効率を実現するタイヤ生産システムを2025年までに国内外の全タイヤ工場(12拠点)に導入する。
これは、日立製作所とCAD、製品ライフサイクル管理、IoTアプリケーション開発プラットフォームなどを提供するPTCジャパン(PTC)との協業で進めるもの。
同システムは、タイヤ生産工程における設備の稼働データなどをPTCのIoTアプリケーション開発プラットフォーム「ThingWorx」(シングワークス)が可視化・収集、それらのデータを日立製作所のAI解析アプリケーション「Lumada」(ルマーダ)が解析し、『品質』、『生産性』、『設備予知保全』、『省エネルギー』に影響を与える要因を高速・高精度に探索・抽出する。
得られた分析結果は、生産現場へとフィードバックすることで、現場で従事する人間のスピーディーな意思決定を可能にし、高品質・高効率なタイヤ生産を実現する。
10月3日、東京本社で開催した記者会見で山田清樹住友ゴム工業製造IoT推進室長は、「人の手に頼ったカイゼンには限界があり、行き詰まる。AI・IoTを活用し、生産現場で従事するすべての人間がデータに基づいてすばやく意思決定ができるようになる『データドリブン』の文化を醸成したい」とシステム構築への意気込みを語った。
住友ゴム工業では、2018年下期から名古屋工場(愛知県豊田市)をモデル工場として、タイヤ生産工程(混合・材料・成形・加硫)にAI・IoTプラットフォームを導入し、システムの構築作業を進めている。システムの活用によって、データ収集・解析時間の90%短縮、生産時に発生する仕損の30%低減といった効果が確認できており、今回、全タイヤ工場への導入を決定した。
「名古屋工場をモデル工場に選択したのは、旧工法と新工法の両工法が稼働していることに加え、さまざまなカテゴリーのタイヤを製造しているためだ。また、周辺には自動車メーカーなどが集積しているため、より高品質なタイヤを迅速に提供することが求められていることも理由だ。現状、『品質』と『生産性』を対象にシステムが稼働しているが、今後は『設備予知保全』、『省エネルギー』にも対象を広げ、20年中には名古屋工場でシステムを完成させ、25年には全タイヤ工場へ導入していきたい」(山田室長)としている。
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