【特集】自動車部品
バンドー化学、補修市場向けが好調
工業用品 2016-12-06
バンドー化学の上期(4―9月)自動車部品事業売上高は198億1100万円で前年同期比8.3%減、営業利益は12億6400万円で同18.5%減となった。
国内では軽自動車の販売不振や熊本地震により自動車生産台数が減少したことでOE向けが減少したが、補修市場での販売が堅調で横ばいに推移した。
補修向けは補機駆動用伝動ベルト、補機駆動用システム製品とも好調だった。システム製品であるオートテンショナは「1995年に発売され、2000年頃から本格的に採用され始めた。その後、交換需要が出始めたので09年から補修用にオートテンショナの販売を開始した。昨年から、バンドースムースカップラーも補修市場で販売している」(同社)。
海外では米国で収益性を重視した受注活動を行った結果、補機駆動用伝動ベルトの販売が減少した。一方、補修市場での販売は堅調に推移した。中国は小型車減税措置の効果により自動車生産台数が増加し、補機駆動用伝動ベルトの販売も増加した。現地通貨ベースでは増収したが、為替円高の影響で減収した。アジアはインド、ベトナム、タイでスクーター用変速ベルトの販売が引き続き好調だった。アジアでも現地通貨では増収したが、為替の影響で減収した。
下期および通期の自動車部品事業の業績見通しは、米国・中国市場の先行きが不透明なため1ケタ減収と予想しているが、アジア市場で積極的に拡販しカバーしていく方針。
ベトナムには2012年に、インドには2013年に新工場を建設した。両拠点とも順調で、インドはラインを増設、ベトナムは旺盛な需要に対応し新工場への移転・拡張を決定した。
新工場は約4億円を投じて建設し、17年下期に操業する予定。敷地面積は約1万8000平方メートル。
同社では、補修市場の開拓に力を入れている。ベルト交換の重要性を訴求するため販売店や整備士向けに講習会を実施している。またホームページ上でベルト交換に関する動画を公開し、ベルトの適正な交換による安全性の向上を啓蒙している。「安全なドライビングのために、どうしてベルトの交換が必要なのかを認識していただくために、講習会や動画で積極的に啓蒙している」(同社)
製品開発の方向性としては、燃費向上に貢献するエンジンのコンパクト化、軽量化への対応を挙げている。
代表的な製品が「リブエース・ハイテンションタイプ」や「リブエース・フィット」。
「リブエース・ハイテンションタイプ」は、回転変動が大きなエンジンにも対応する高負荷・高強度なベルト。従来品のアラミド心線ベルトに比べセパレーションの故障に至る限界張力が1.2倍向上。ポリエステル系心線ベルトに比べ約29%の省スペース化が可能。
「リブエース・フィット」は、ベルト自体で適正張力維持が可能なため、オートテンショナなどの張力付与機構が不要で、エンジンの軽量化・コンパクト化に貢献する。
補機駆動用伝動ベルト・システム製品がほとんど使用されないハイブリッド車や電気自動車拡大への対応としては、ベルトの新たな用途開発を進めている。「たとえば、現在はギアで動力を伝えている部位などについて、ベルト方式への転換を提案し、拡販をはかりたい」(同社)という。
また、ベルト以外の新製品「放熱シート(高熱伝導シート)」など、新製品についても自動車分野への提案活動を加速していく方針だ。
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